【そもそも解説】OPECが原油の減産合意 各国の思惑を整理してみた

2016.12.06

石油輸出国機構(OPEC)が原油の減産で合意したのは、8年ぶりのことでした。

OPEC構成国間での利害関係から交渉は難航するとの見方があった中で合意に至ったことや、この合意によって今後原油価格が安定、上昇し、産油国の財政が好転してオイルマネーが世界へ流れるという見方から、合意が正式に決まった1日は軒並み株価が上昇しました。ドナルド・トランプ氏の大統領当選によって上昇している株価にさらに追い風が吹いた形です。

なぜ原油の生産や価格が大きく取り上げられるのか

原油は、エネルギー源としてはもちろん、プラスチックなど素材の生成源としても現代社会を支えている最重要資源です。したがって、原油価格の変動は世界経済にとって大きな影響力を持ちます。そのため、原油価格を巡って、様々な国が駆け引きしており、思惑が入り乱れることになります。

ここ10年ほどの原油価格(1バレルあたり)の推移を見ると以下のグラフのとおりです。

U.S. Energy Information Administrationのデータを元に編集部作成。

これを見ると、大きく上下しているもののしばらく1バレルあたり100ドル前後で安定していた原油価格が、2014年を境に下がり、低い状態が続いていたことがわかります。

各国の思惑が入り乱れる分、報道される原油の増産や価格の上がり下がりがどういう意味を持つのかということは、わかりにくいものです。しかし、各国の思惑を整理すれば少し頭がスッキリします。今回は、アメリカ、サウジアラビア、イラン、ロシア、加えて、日本にとって、減産合意でどんなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。

続きは2ページ目へ(有料記事)


「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内

YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画



記事ランキング

ランキング一覧はこちら