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中国商務省は28日、オーストラリア産ワインに課した関税を翌29日から撤廃すると発表しました。安全保障面では対中抑止を念頭に米英と連携するオーストラリアに対し、中国が経済面から連携の分断を狙っています。

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中国は貿易拡大をもちかけ、一時は関係が悪化したオーストラリアの取り込みを図っています。

両国関係悪化の大きなきっかけの一つに、2020年4月、対中強硬路線を敷いていたスコット・モリソン豪前首相が新型コロナウイルスの起源に関する調査を呼びかけたことがあります。

中国によるオーストラリア産ワインへの関税は、15年の自由貿易協定(FTA)締結後に0%に引き下げられていました。その後19年には、中国はオーストラリアにとって最大のワイン輸出先となるに至ります。しかし、20年以降の両国関係の悪化に伴い、21年3月、中国は懲罰的にオーストラリア産ワインに対して最大218.4%もの制裁関税を5年間課すと公表。

これにより、19年には約12億オーストラリアドル(約1200億円)あった中国へのワイン輸出額は、23年には1000万オーストラリアドルへと、99%も減少しました。

しかしアンソニー・アルバニージー氏が首相に就任して以降、両国関係は大きく改善を見せています。ワイン以外で輸入制限をかけられていたオーストラリア産の大麦や石炭はすでに制限を解除されています。

今回のワイン関税の撤廃について、中国商務省は声明で「中国のワイン市場の状況が変わったため、オーストラリアからの輸入ワインに課した反ダンピング・反補助金関税はもはや必要ない」と述べています。

オーストラリア政府は中国の決定を歓迎する声明を発表。21年に中国が関税を課したことを受け、世界貿易機関(WTO)に提訴していましたが、この提訴を取り下げます。

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