2022年3月号記事

ニッポンの無駄!

『減量の経済学』とは何か


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ニッポンの無駄! 『減量の経済学』とは何か - 〔ムダ2〕 書類・会議編


ムダ2

テレワークで丸裸にされた無駄仕事


会社には多くの無駄な仕事が存在する。読まれない資料作りや長い会議への出席──。
それをこなして”仕事をしたつもり”になっていると、リストラの対象となる危機に直面する。

テレワークによって、「会社に来ているだけで"仕事をしていなかった人"がいた」ことが顕在化してきたと言われる。
テレワークではITツールを活用するため、情報が正確に保存され、スケジュールも共有されることが多く、各人の仕事ぶりが把握されやすくなる。元々ダラダラと仕事をしていた社員は、その姿が一目瞭然となる。


あぶり出されたリストラ候補

東京都内の食品会社でテレワーク中の20代女性Fさんは「問題の多い先輩社員が、『15分で作れる資料を仕上げるのに1時間かかる』と噂になっている。元上司はテレワークでのレスポンスが遅く、頓珍漢な受け答えも増え、周りの人からよく怒られている」と語る。ITの進歩で人間の単純な仕事が奪われつつある中、コロナ禍で業務量は減少。コロナはこれから10年続く可能性がある。今後倒産の危機が訪れれば、テレワークで発覚した"仕事をしていない社員"はリストラされることもあり得るのだ。

都内のIT企業で働く20代男性Gさんは、「社内のIT化を進めるよう営業しているが、それによって人員は削減される。『いい仕事をする企業や人間は生き残り、そうでないものはなくなる』と強く感じる」と語る。


テレワークで逆に無駄な資料作りも

テレワークで書類仕事が増えたと嘆く声も多い。「業務報告や定例営業会議に向けた膨大な資料作りが発生し、海外の本社のために英語でも書くので、時間と手間がかかる。仕事の目的と手段がひっくり返っていないか」(Gさん)。ITで効率化を進めても、いたちごっこで無駄な仕事が増え続けるのが現状のようだ。

 

次ページからのポイント(有料記事)

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