2024年1月号記事

故人からの電話

第二弾

携帯電話に"割り込んだ"兄の声

本誌2023年9月号で、死後間もない霊から大切な人に電話がかかってくるという衝撃体験を報じたが、驚くべきことに同様の体験がさらに寄せられた。

まだまだ暑さが衰えていなかった今年の8月末、中川ようこさん(80歳)は旅先の大阪から、鳥取の自宅に帰る道中で、特急列車「スーパーはくと」の車内にいた。

兵庫県側から山陰側に向かい、緑深い中国山地を抜けているころ、手元の携帯電話に着信が入った。番号を見るとアメリカ・サンフランシスコに住む兄の吉郎さん(82歳)だった。ようこさんは声を潜めて電話に出た。

いつもの兄の声がした。

「ようこ……元気か」

ようこさんは「ごめん、今電車の中だから……」と言ったが、吉郎さんは構いもせず、一方的に何かを喋り始めた。

おかしいと思ったようこさん。「何か変わったことでもあったのか」と聞くが、それにも吉郎さんは無反応で、ひたすら話し続けた。

その話の内容は……不思議なことにようこさんは、まったく覚えていないという。通話時間は数十秒や1分そこらではない。体感では「5分くらい」喋っていたというが、まるで夢から覚めた後のように、具体的な情報は一切、頭に残っていなかった。

とにかくようこさんは、他の客もいるので「今、電車だから、またかけ直す」と念を押した。

すると、ふっと話が途切れ、電話の声の主が変わったのだ。

「もしもし」と話し始めたのは、兄と同じくアメリカにいるが、少し離れたサンディエゴに住んでいた姪の娘だった。

彼女はそのまま、こう告げた。

「おばさん、おじさん死んだの」

ようこさんがそれを、すんなり受け入れられたはずがない。

「だって今、お兄ちゃんと電話で話をしていたのに」

ようこさんがそう言うと、姪の娘も「え……」と言葉を失った。

「とにかく今、電車だから、後でかけ直すね」と、ようこさんはひとまず電話を切った。

 

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一瞬の間に数分間の通話時空が歪んだ?

電話は「非常に霊的」