川内原発に続き、安全審査の基準に適合し「審査書」を与えられた高浜原発3号機と4号機(Wikipediaより)

3.11の東日本大震災から4年が経とうとしている。日本観測史上最大のマグニチュード9.0を記録したこの大震災では、1万5千人もの尊い命が犠牲になった。改めて哀悼の意を表したい。

しかし被害は人命だけに留まらない。時の民主党・菅直人政権下で全停止させられた、原発の再稼働がなかなか進展しない。

規制委が原発再稼働の足かせ

この背景には、菅氏が主導し設置した、原子力規制委員会の存在がある。

規制委は福島第一原発事故を受けて、2013年6月に原発の新しい規制基準を決定した。しかし、その基準は曖昧なもので、電力会社と規制委との間で非効率な書類のやり取りが続くことになった。実際に、早ければ半年で終わると言われていた鹿児島県・川内原発の安全審査には、昨年9月に事実上の合格証である「審査書」が与えられるまで、1年以上かかった。

また、新規制基準では、自然災害に対する安全対策が必要以上に要求されている。特に、活断層が地下に走っている原子炉の廃炉が勧告される事例も出ている。しかし、1995年の阪神・淡路大震災や2007年の新潟県中越沖地震など、大規模な地震は活断層とは関係のない場所で起きた。活断層は安全性の一要素に過ぎない。

「簡単に戻らない仕組み」と無責任な発言をする菅氏

この規制委について菅氏は過去、北海道新聞の取材に応じ、こう発言している。

「10基も20基も再稼働するなんてあり得ない。そう簡単に戻らない仕組みを民主党は残した。その象徴が原子力安全・保安院をつぶして原子力規制委員会をつくったことです。(中略)独立した規制委の設置は自民党も賛成しました。いまさら知らんぷりはできない」(2013年4月30日付北海道新聞)

菅氏は、原発再稼働が進まない仕組みを残した責任をどう取るつもりなのか。

原発が止まっている間、火力発電に使う燃料の輸入費などで、1日あたり100億円の国費が海外に流出している。また、日本は火力発電用の燃料を台湾と中国の間のシーレーンを通じて主に中東から輸入している。中国の軍事的脅威が高まる中、シーレーンを抑えられれば、生存与奪の権を握られてしまう。エネルギー安全保障上も、原発再稼働は待ったなしだ。

川内原発に続き、今年2月には高浜原発の「審査書」が正式決定されたが、全原発再稼働の道のりは険しい。全原発再稼働に向け一刻も早く「菅の呪い」から目覚める必要がある。(冨)

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