朴大統領。(画像は Republic of Korea / flickr

外務省がホームページで紹介する国別基礎データで、韓国に関する記述を「我が国と、自由と民主主義、市場経済等の基本的価値を共有する重要な隣国」との表記から、「最も重要な隣国」に変更した。

韓国について、同省が発行する2004年版の『外交青書』には「民主主義、市場経済等の基本的価値を共有」と記述。08年には「自由」「基本的人権」との表現も付け加え、ホームページも外交青書に則してきた。しかし、今回の変更では、それらの文言が取り除かれており、日韓関係の冷え込みを示すものとして注目されている。

日本政府の反日外交への苛立ち

この背景には、日本側の、「反日外交」を改めない韓国への苛立ちが見え隠れする。とりわけ、昨年10月8日に朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして、産経新聞前ソウル支局長が在宅起訴された結果、日韓の溝は深まった。そのほかにも、韓国政府が「従軍慰安婦問題」に固執し、中国・北朝鮮の脅威を念頭にした安全保障の連携に協力的でないという問題もある。

日本政府の韓国に対する認識の変化が、今回の変更につながったと見られる。

韓国とは距離を置くべき

産経新聞前ソウル支局長の在宅起訴が起きた当時を振り返ると、起訴の翌日である10月9日、大川隆法・幸福の科学グループ総裁は法話「国際政治を見る眼」で、日本がとるべきスタンスを次のように示した。

「『アメリカ・日本・韓国は同じ価値観を持っている』と思うなら、間違いだと思ったほうがいいと思います」「日本は冷静さを持ち、(中国・韓国とは)距離を取りながら、彼らが頭を冷やして損得勘定ができるようになるまで上手に付き合わないといけないでしょう」

このアドバイスを受け入れたかのように、安倍晋三首相の発言も変わった。韓国は「基本的な価値や利益を共有し、最も重要な隣国である」(9月の所信表明演説)と安倍首相は発言していたが、法話の後、「韓国は、最も重要な隣国です」(今年2月の施政方針演説)に表現を後退させている。

外交においても、日韓首脳会談はいまだに実現していない。しかし、歴史問題で譲歩するなど、国益を損ねる形での関係改善は必要ない。

「アジアの大国」である日本は、恫喝に応じず、毅然とした態度を取る中で、民主主義国家として成熟していない韓国を導く使命がある。(山本慧)

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