精神薬の大量服薬による急患を受け入れた救急医療機関が、2012年度に156病院にのぼったと、このほど読売新聞が報じた。依存性のある薬を半年分、一年分と長期で大量に処方されることが問題視されており、現代の日本の精神医療の問題と限界を露呈している。

睡眠薬や抗不安剤を大量に飲んだ患者を受け入れる病院はごく限られており、多い病院では年に50人から100人を受け入れている。生命の危機に瀕する患者も多いことから集中治療室(ICU)で対応せざるを得ず、通常の緊急患者の受け入れに支障が出ているほどだという。

日本の精神医療は投薬治療が主で、即効性はあるが使い続けると止めにくくなるベンゾジアゼピン系睡眠薬の使用量は世界一で、アメリカの6倍になる。欧米では、カウンセリングなどの心理療法と投薬治療を組み合わせる例が多いが、日本は薬を出して終わるケースも多い。

ただ、不眠症やうつ状態になる原因の多くは、仕事や対人関係の悩みなど、ストレスを解消できないところにある。現代の精神医療では悩みを解消できず、睡眠薬や精神安定剤で症状を抑えるにとどまっている。こうしたストレス・マネジメントは一人ひとりの心のコントロールに関る分野であり、本来は宗教の守備範囲である。

また、幻覚や幻聴を訴える患者についても脳機能に障害があると受け止められ、精神薬によって症状の沈静化を目指すケースが多い。しかし、霊が見えたり、その声が聞こえたりすることは実際にありうる。

大川隆法・幸福の科学総裁は、2012年9月の法話において、「病気と判定されているなかにも、いわゆる『霊障』に当たるものがかなりあることも現実です。これは、エクソシスト(悪魔祓い師)のところへ行くか、病院へ行くかの違いです」「やはり、真実をきっちり知っておいて、光のパワーによって治していくことも、同時にやらなければいけないと思います」と指摘している(本誌2013年9月号に掲載)。悪霊に悩まされている患者に薬物投与だけしても、根本的な解決にはならない。

患者が精神薬に依存しているのと同時に、精神医療自体が「薬物依存」している事態そのものが問題の根源にある。苦しむ人を救うために、医療は霊的な世界に心を開き、宗教と手を携える必要がある。(晴)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『地獄の方程式』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『心を癒す ストレス・フリーの幸福論』 大川隆法著

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2013年8月20日付本欄 統合失調症の患者が「薬漬け」になる理由は「霊的視点」が欠けているせい

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