統合失調症で精神科に入院している患者の4割が、3種類以上の抗精神病薬を処方されているとの調査結果が明らかになった(20日付朝日新聞)。抗精神病薬には幻覚や妄想などの症状を抑えたり、不安や興奮を鎮める作用がある。しかし、3種類以上の投薬で治療効果が上がるという報告はなく、むしろ副作用や死亡リスクが上昇するという研究結果もある。なぜ、患者が「薬漬け」になっているのだろうか。

この調査は、国立精神・神経医療研究センターによって行われたもので、2011年10月の診療報酬明細(レセプト)から、精神病棟に入院している約7400人の患者の処方データを無作為に抽出し、分析した。その結果、42%が抗精神病薬を3種類以上処方されており、4種類以上処方されている患者も20%にのぼっていた。

薬漬けの治療が行われている原因として挙げられているのが、治療に当たる人員不足だ。重度の統合失調症の患者が幻覚を訴えたり、暴れたりした場合、現在の医療では症状を抑えることしかできない。同紙では、「薬で、患者さんにおとなしくしてもらわないと、対応できない」という、精神科医のコメントが紹介されている。もはや、現代の医学ではなすすべがないという事情が、薬漬けの現状に表れているだろう。

この限界を超えるために必要な考え方は、実は宗教にある。大川隆法・幸福の科学総裁は著書『不成仏の原理』のなかで、精神疾患の患者が訴える幻覚などについて、「本当に霊が見えている場合や霊の声が聞こえている場合がある」と指摘。つまり、悪霊の影響で、通常の生活を送るのに支障をきたしている、いわゆる「霊障」の状態にあるというのだ。

医療者の間でも、霊的な視点を取り入れた治療が始まっている。ハッピースマイルクリニックの精神科医・千田要一氏は、患者が幻覚を訴えたとしても、霊的知識にもとづいて対応するという。千田氏は、世界的に、心療内科はスピリチュアリティ(霊性)を前提として治療するのが常識だとして、「霊的な真実は今の科学理論で説明できないだけ」と語っている(本誌2013年2月号)。

もちろん、治療において投薬が必要になることはあるだろう。しかし、統合失調症の背景に霊的な作用がある以上、霊的な面からもアプローチしなければ、効果的な治療は難しい。患者が心身共に健康を取り戻すためには、医学と宗教とがともに手を取り合っていくべきである。(晴)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『不成仏の原理』 大川隆法著

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