日本が世界文化遺産に推薦している「明治日本の産業革命遺産」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が、世界遺産に「記載」すべきだと勧告した。5日付各紙が報じた。

西洋技術と日本の伝統文化を融合させた道筋を伝えるもの

「明治日本の産業革命遺産」は、1850年代から1910年までの間に、日本が産業国家となる際、西洋技術と日本の伝統文化を融合させた道筋を伝えるもので、製鉄や造船、石炭産業などにまつわる、23の施設が含まれる。

福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、山口、岩手、静岡の8県11市にまたがり、「産業施設」として官営八幡製鉄所(福岡県)や三池炭鉱(福岡県)などが、「近代化の思想的な原点」として松下村塾(山口県)が推薦された。

イコモスは、「西洋から非西洋国に初めて産業化の伝播が成功したことを示す」「1853年から1910年までのわずか50年余りという短期間で急速な産業化が達成された段階を反映している」と評価した。

ドイツで7月に開かれる世界遺産委員会で正式に決定されるが、世界遺産に登録される可能性は極めて高い。

韓国が反対を表明

これに、韓国が反対している。韓国は、申請されたうちの三菱長崎造船所や端島炭鉱(軍艦島)など7カ所で、日本の植民地時代に朝鮮半島出身者5万7900人が強制動員されたとしている。韓国外相は「今後、21の委員国をあらゆる角度から強く説得しながら、可能なすべての方法を検討していく」と述べた(聯合ニュース4日付)。

しかし、韓国が日本に併合されたのは1910年からであり、今回の申請の対象となっている期間とはほとんど重なっていない。

さらに、日本の統治下で「強制動員」と呼べるのは「戦時動員」だが、これが当時日本人だった朝鮮半島の人々に対して適用されたのは1944年9月以降の7カ月間であり、戦況の悪化もあって実際の人数はそれほど多くなく、ほとんどの人は自主的に日本に来ていた。しかも、内地の日本人には、1939年7月から「国民徴用令」が適用されており、朝鮮の人々に適用されたのはむしろ遅かった。こうしたことを考え合わせれば、韓国の主張は言いがかりにすぎない。

明治日本は産業革命を経て白人優位主義を覆した

今回、世界遺産登録の対象になっている産業革命を経て、日本は1905年に日露戦争でロシアに勝利し、白人優位主義を覆した。

「明治日本の産業革命遺産」は、日本が、西洋列強に植民地化されるアジア諸国の現実を直視し、植民地化を阻止するために西洋の先進性に学び、追いつこうとした過程を示すものでもある。白人の人種的な優越性を否定し、人種平等につながる流れをつくり出したという点でも、世界遺産にふさわしいものだと言える。

他ならぬ韓国も、その恩恵にあずかっていることを思い出すべきではないか。(居)

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