韓国の政界や財界が、第二次世界大戦中、日本に強制的に徴用された朝鮮人の名簿を世界記憶遺産としてユネスコに登録申請することを検討していると、朝鮮日報(2日付オンライン版)などが報じた。

この名簿は今年6月に、東京の韓国大使館の移転時に見つかった。韓国外交部は11月、「この徴用者名簿が日本への賠償請求につながるかどうかの検討が必要」との立場を明らかにしている。

しかし、日韓は1965年に国交を回復した際、日韓請求権協定を結んでいる。日本は韓国に計8億ドルを支払い、協定には、戦後処理に関する請求権問題は「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記している。つまり、もし個人の賠償が必要ならば、韓国政府に請求するのが正当な手続きなのだ。

ところが韓国の最高裁は昨年5月、日本が朝鮮の人々を徴用したことについて「日韓請求権協定の対象外」との判断を示した。これに基づき、今年に入って韓国高裁が、新日鉄と三菱重工の労働者が戦時中に日本に強制徴用されたことへの賠償を求める裁判で、原告勝訴の判決を出している。

韓国は日韓請求権協定を無視し、解決済みの問題を蒸し返している。一体いつまで日本に賠償を求めるつもりか。

そもそも当時は、日本と朝鮮半島は同じ国だった。朝鮮で徴用が行われたのと同様に、日本人も徴用されていたことも事実である。しかも朝鮮半島での徴用が始まったのは、戦局が厳しくなり、人員不足が深刻化した1944年9月からであり、日本本土での徴用が始まった1939年よりも後のことだ。

朝鮮から徴用された人々は、炭鉱で坑内作業をしたり、ダム建設の現場作業、軍需工場の部品組み立てなどの仕事をしていた。「過酷な労働をさせられた」との証言があり、賠償請求の理由の一つとなっているが、日本人と同じ仕事である上に、日本人と同じ条件で給料も出ていた。

韓国は慰安婦問題においても国を挙げて日本を非難し、慰安婦問題を題材とした漫画を国際漫画祭へ出品したり、他言語への翻訳を行うなど、「日本が悪い国である」と世界へ発信しようとしている。今回のユネスコ登録申請についても、世界へのPRを意図したものだと考えられる。

しかし、もし核兵器開発を進める北朝鮮が暴発し、朝鮮半島で有事が起きたら、韓国を助けるのはアメリカと、その同盟国である日本だ。韓国が歴史問題を理由に反日の姿勢をとり続ければ、日本は韓国を助けにくくなる。韓国こそ歴史認識を改め、日韓協力への道を拓くべきだ。(晴)

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