フランスの経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』の大ヒットによるピケティブームが続いています。「資本主義経済の下では、放っておくと富者と貧者の格差が拡大する一方だ」というピケティの主張は、「働いても給与が増えない」という「持たざる者」の不満を代弁しているからだといえるでしょう。

しかし、ピケティは「富の再配分」を重視するあまり、経済学の歴史的な論点を外しています。彼のデータ分析よりも重要な、経済学の歴史的意義とは何でしょうか。

本誌4月号で、米税金財団主任経済学者ウィリアム・マクブライド氏は、ピケティ理論について次のように語っています。

「富の配分」よりも「富の創造」が大事