2024年2月号記事

日本人の賃金が30年上がらない本当の理由

低賃金・低成長に喘ぐ日本経済──。
脱却への道のりを探った。

親世代より豊かさを実感できない日本人。それもそのはず。日本の平均賃金は、主要7カ国で最下位だ。

経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国の平均年間賃金が、最も高いのはアメリカで、7万7千ドル。25位の日本は4万1千ドルなので、約半分になっている。2023年に国内総生産(GDP)が日本を抜いたドイツは、5万6千ドルと11位。お隣の韓国は19位で賃金は約4万9千ドルと、日本は同国よりも6ランクも下だ。

この25年以上、他の先進国の賃金が2割から5割上昇しているのに、日本の賃金は地を這うように横ばいを続ける。

こうした中、物価高対策の一環として、岸田政権は「賃上げ」を提唱。政府が推奨する一定の水準を満たせば、法人税の控除をするという(*1)。

だが、給与は「人件費」であり、企業にとって固定費だ。折しも円安で原材料が高騰し、原発停止で電気料金も上昇。中東で戦争が拡大すれば、日本は経済的に干上がるリスクも抱えている。固定費である人件費を上げるのは、企業の存亡にかかわるため、景気変動に敏感な経済人は簡単には賃上げ要請には応じられない。

(*1)現行の制度では、給与などの支給総額が前年度比で3%以上増えれば、給与増加額の15%を税額控除し、4%以上なら増加額の25%を控除するというものだが、新たに検討されている案は、従業員の給与を5%以上増やした企業に対して、法人減税の控除をするという制度設計になっている。

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
 

 

次ページからのポイント

極めて低い日本の生産性

「日本復活への唯一の道とは」 経済学者 蔵 研也氏インタビュー

「岸田流・法人減税はとインフレ加速を招く」 アーサー・B. ラッファー博士インタビュー

●●志向の政策が日本の賃金を上げる