安倍晋三首相は7日、参議院予算委員会の場で「消費税を10%に引き上げなかった場合、社会保障の充実に充てる予算は減る」と答弁した。中でも、「子育て支援などの社会保障の充実に充てる予算は消費税収の増加に応じて段階的に拡充させていく」と、少子化対策のためにも増税が必要であるかのような説明をした。
政府内には再増税を望む声が大きいが、今年4月の増税の結果、景気は大きく落ち込んでいる。ここでさらに景気を悪化させれば、安倍政権の支持率も大きく落ち込む。安倍政権は今後も、再増税は「将来の安心」「子育て支援」のためになると弁明し、増税時の支持率維持を図るかもしれない。
しかし、ここで騙されてはいけない。
再増税でアベノミクスが完全に失敗すれば、経済的にも子育ては難しくなる。経済の見通しが悪くなれば、国民は子供を生むことをさらに躊躇する。その不安を和らげるために、政府は増税で得たお金を国民に撒く――。極めて不自然な話だ。
「老後の備え」においても話は同じ。増税の結果、経済が衰退して国民の所得が減れば、老後に向けた貯金も難しくなる。それを増税したお金で"救済"する。そのため、国民はますます将来への備えを行わなくなる。
つまり、「社会保障を減らしたくないから、増税やむなし」という考えは、「政府が増税で経済を弱らせ、国民を貧しくする。政府はその税金を弱った国民に支給し、政府に依存させる」という、日本国民隷属化につながる。
こうした状況に関して、大川隆法・幸福の科学総裁は『政治革命家・大川隆法』の中で次のように述べている。
「戦前は、社会保障など何もなくても、年を取って飢え死にする人など、いやしなかったわけです。きちんとバックアップしようとすれば、身内や親族でできますし、そういう人がいなければ、人間は、『自分でバックアップ体制をつくろう』ということで、老後についての設計をし始めます。しかし、『全部、国や地方公共団体がやってくれる』と思えば、何もしないで、『キリギリス体制』で老後を迎えるようになります。やはり、セルフ・ヘルプ型の社会にしないと、活力が衰えて、国が没落していきます」
日本人が、「経済的にも自分の足で生きる」と腹をくくれば、社会保障費は減らせる。その結果、日本はより活力があり、生きがいのある国になる。安倍首相も本心では、増税を望んでいないとも言われるが、国民の「セルフ・ヘルプ」の精神で、再増税の中止を後押しするべきだ。(光)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『忍耐の時代の経営戦略』 大川隆法著
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