安倍首相が財界首脳に賃上げ要求。業績がよくても社員に還元しない企業は社名を公表するほどの念の入れようだ。写真は新年祝賀会にてスピーチする安倍首相。
2014年3月号記事
消費税増税を4月に控え、 アベノミクスがうまくいくのかどうか。今年の大きな関心事だ。
安倍晋三首相は、その成否のポイントが、企業が社員の給料を上げるかどうかにあると見て、財界に繰り返し賃上げを求めている。
甘利明経済再生相は「賃上げしないと恥ずかしい企業だという環境をつくりたい」と語っている。2~3%以上の賃上げをした企業にだけ法人税を安くする一方、業績がよくても社員に還元しない企業は社名を公表するという「アメとムチ」作戦を展開するという。
確かに、日本のサラリーマンの平均年収は1997年の約467万円から2012年の408万円へと減り続けている。一方で、国内の企業は、設備投資などに使うための内部留保を合計で約280兆円持っている。「じゃあ、それを社員に回してくれよ」と、安倍首相らが狙いを定めているというわけだ。