軍事技術に応用可能な基礎研究に研究費を支給する防衛省の初の公募に、少なくとも16大学が応募したことがこのほど各紙で報じられた。防衛省が公募したテーマは「マッハ5以上の飛行が可能なエンジン実現のための基礎技術」「昆虫や小鳥サイズの小型飛行体実現に役立つ基礎技術」など。
応募した大学については、地方の国立大学の応募は7件で比較的多く、旧帝大5大学は、東京大と名古屋大が「回答できない」、他は「応募なし」だったという。
今は技術力の差が軍事力の差になる時代
東京大学は今年、軍事研究の禁止に関する声明を出している。自虐史観の影響もあり、まだまだ軍事研究をタブー視する風潮も強いようだ。
しかし、現代は、技術力の差が軍事力の差になる時代だ。それは、国の防衛力にも直結する。2003年のイラク戦争においては、アメリカの兵器の圧倒的な性能が早期に勝敗を決めた。空爆と誘導爆弾などによってイラクの指揮命令系統は破壊され、イラク軍はほとんどなすすべもなかった。さかのぼって、米ソ冷戦時代に熾烈な宇宙開発競争が行われたのも、宇宙技術が軍事技術に転用できることが背景にある。
科学技術はゴジラも倒す!?
ちなみに、SFの世界ではあるが、怪獣の王とも言えるゴジラや、ヒーロー日本代表とも言えるウルトラマンよりも強い「人間」がいるのをご存じだろうか。
1954年の映画「ゴジラ」で軍隊も歯が立たないゴジラを倒したのは、天才科学者の芹沢博士が発明した特殊な薬剤「オキシジェン・デストロイヤー」だった。
また、1966年の特撮テレビ番組「ウルトラマン」の最終回では、最強怪獣ゼットンによってウルトラマンが倒されてしまう。この未曽有のピンチを救い、ゼットンを撃破したのは、科学特捜隊顧問の岩本博士が発明した「ペンシル爆弾」だった。
現実の世界で巨大怪獣や宇宙人が攻撃してきたら、まだ宇宙旅行さえできない地球の科学では太刀打ちできそうにないが、攻撃してくる可能性があるのは怪獣や宇宙人ばかりではない。
悪意を持って他国に侵攻する国から、自国や周辺国を守るために軍事研究を行うことは正義である。堂々と推進すべきだろう。(賀/紘)
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