オバマ米大統領と習近平・中国国家主席が25日午前(日本時間同日夜)、ホワイトハウスで米中首脳会談を行った。

会談後の共同記者会見では、両国がサイバー攻撃によって企業の知的財産を盗み取らないことを確認したほか、温暖化対策を進めるために、中国が発展途上国に200億元(約3790億円)を支援するなどの点で合意したことが発表された。

日本として注目すべきは、米中両国の大きな溝となっているアジア地域の安全保障に関する問題だろう。

イギリスの軍事専門誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー(電子版)は24日付で、中国が南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島にある、ファイアリー・クロス礁に建設していた滑走路が完成したことを示す衛星写真を公開した。中国はこの海域に多くの軍事拠点をつくろうとしている真っ最中だ。

そうした中、習主席は会見で「南シナ海の島々は中国古来の領土であり、領土主権と海洋権益を持っている」と堂々と語った。一方、オバマ大統領は、「重大な懸念を持っている」と中国側をけん制した。

中国の脅威と集団的自衛権をセットで論じない愚

南シナ海の問題については、日本の新聞各紙も26日付で次のように報じている。

「サイバー攻撃、海洋問題、人権などをめぐっては立場がかみ合わず、むしろ深まっている」(朝日新聞)、「習近平政権が主権に関わる問題で本質的な方向転換を行う兆候はみえていない」(毎日新聞)、「米中間で高まる緊張関係を緩和できるかが焦点」(東京新聞)。

こうした状況を考えれば、このほど成立した集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法について、「やむなし」という論調になるはずだが、特に左翼的な主張の強い先述の3紙は、反対派の動きを過剰に紹介するなど、徹底的な反対キャンペーンを張ってきた。これからも張っていくだろう。

日本が国際社会の中で生きているからには、他国の動きに無関係であることはできない。戦争をしたくなくても、戦争や紛争を仕掛ける可能性がある国が存在する以上、周辺国と力を合わせ、その武力を排除するのは当然である。

マスコミは、日本国内と国外で起きていることをバラバラに報じ、何の関係性もないような伝え方をして、世論を間違った方向に誘導するのはやめるべきだ。国民の知る権利に奉仕していないどころか、国民を愚民視したような報道姿勢は改める必要がある。(冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『「集団的自衛権」はなぜ必要なのか』 大川隆法著

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