トヨタの北米子会社が昨年3月に「空飛ぶ車」のための特許を出願していたと米自動車メディア『Automotive News』、英タブロイド紙『The Daily Mail』などの海外メディアでにわかに話題になっている。

出願した特許のタイトルは「Stackable Wing for an Aerocar (エアロカー用の積み重ね可能な翼)」というもの。エアロカーとは空飛ぶ車のことだ。

特許出願願書の書類やイラストでは、車上に4枚の翼を積み重ねて搭載し、飛行時などには展開すると説明されている。

今まで世界中で「空飛ぶ車」は構想されてきたが、技術の難易度から実用化、大衆化には長い時間を要するのではないかと言われている。しかし、トヨタがもし本気でこの「空飛ぶ車」のような革新的な新しいものづくりに挑むならば、その姿勢は評価されるべきではないか。

現在、日本国内では若者の車離れや都市化による車需要の低下が言われている。また、欧米の車市場も飽和し、世界の車需要も低下傾向にあるといえよう。

三菱総合研究所理事長の小宮山宏氏の著書『これから30年日本の課題を解決する先進技術』によれば、自動車市場は新車販売台数が人口100人に1台の時点から平均5、6年でほぼ飽和状態になるという。中国での販売台数は09年に100人に1台になった。中国市場も間もなく飽和し、販売台数は頭打ちになるということだ。

また、トヨタの売上高営業利益率は2014年3月期では、自動車事業が8.8%に対し、金融事業は20.6%。10年前の2002年3月期では、自動車事業が7.4%、金融事業は9.9%だった(2015年3月18日東洋経済ONLINEより)。

こうしてみると、現在のトヨタの利益は金融事業の比率がとても高く、利益の中核を担っていることが分かる。

トヨタは、自動車産業がまだ収益を挙げられているうちに、新しい事業の「種」を見つけ、育てていくことが急務と言えるのではないか。

2010年に発刊された大川隆法総裁の著書『未来産業のつくり方』には、トヨタグループの祖、豊田佐吉の霊言が収録されている。

その中で、豊田佐吉の霊は、「航空機産業のところは、アメリカが抑えているから、日本はまだ十分に発展できていないよね。しかし、自動車産業から、次は、航空機産業のほうに、ある程度シフトをかけていかなければ、先行きの発展・未来性はないと思う」と語り、トヨタの未来は「空を飛ぶ車」にあることを述べていた。

自動車産業に代表される日本のものづくり産業は、創造的で高付加価値なものづくりによって世界をリードする使命を果たしていく必要があるのではないだろうか。(瑛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『未来産業のつくりかた』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=67

幸福の科学出版 『ザ・リバティ 2013年3月号【特集】トヨタが自動車メーカーでなくなる日』

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=901

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2013年3月号記事 ものづくり日本復活の条件 - トヨタが自動車メーカーでなくなる日

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2015年1月7日付本欄 トヨタの特許無償化は「ミライ」をつくる 燃料電池車の技術革新、インフラ整備を急げ

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2013年1月10日付け本欄 攻めろトヨタ JAXAもラブコール

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