トヨタ自動車の2012年の世界販売順位は1位、13年は世界生産計画で990万台を目指す。順風満帆かと思いきや、豊田章男社長は産経新聞の取材に対し、13年がどういう年になるかと聞かれて「平穏無事な年であることを望むが、トヨタ自動車社長に就任してから、そういう年だったことは1年もない」と答えた(10日付産経)。

確かにトヨタは豊田章男社長の2009年の就任以来、プリウスの世界規模リコール、東日本大震災、中国の反日デモなど、毎年何かしら事件に悩まされてきた。そんな中でもグループとして利益を出し続けるトヨタは多くの企業のお手本とされるが、そのトヨタのトップの願いが「平穏無事」だけだとしたら、少し寂しくないだろうか。

たとえば宇宙航空研究開発機構(JAXA)の的川泰宣名誉教授は、トヨタの宇宙産業参入を期待している。最近のある週刊誌は的川氏の次の発言を紹介した。

「(国内ロケットをリードしている)三菱重工やIHIのエンジニアが現場で日夜話しているのは、有人宇宙飛行の夢です」 「日本の宇宙開発は予算が限られており難しいのですが、トヨタ自動車さんあたりが参入してくれれば競争が生まれ、市場も活性化して面白いのでは」

トヨタが宇宙開発とは突飛な発想にも思えるが、実はすでに2年前、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁の霊言で、トヨタグループ創業者の豊田佐吉氏の霊は、トヨタの進むべき方向性についてこう語っていた。

「『自動車』という箱があって、『四輪車が走っている』というコンセプトは、もう卒業であり、そういう形に関係なく、『空間を移動するサービス』という方向で、あらゆる展開をしていかなければ、未来はないと思うな」

「トヨタが宇宙ステーションを組み立てるような時代だって、来なきゃいけないわけです」(関連書籍参照)

現にアメリカでは、ロケットや宇宙船を開発して打ち上げを行うスペースX社が、民間ながら「数十年内に火星に植民する」と意気込んでいる。12年には自社開発の無人宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功するなどの実績も積んでいる。

単に「平穏無事」を祈るだけなら、小さな会社の社長の初詣のレベルと変わらない。日本のものづくりにおけるリーディング・カンパニーであり、日本を代表する世界的企業であるトヨタには、マイナスがないことだけでなく、大きなプラスのビジョンを描き、それを実現して日本の産業界をリードすることをこそ期待したい。(居)

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2012年9月18日付本欄 中国による反日「デモ」ではなく、反日「テロ」

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4873

2011年5月25日付本欄 NASAが火星を目指す有人飛行へ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2030

【関連書籍】

幸福の科学出版HP 『未来産業のつくり方』大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=67

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