2013年3月号記事

ものづくり日本復活の条件

トヨタが自動車メーカーでなくなる日

第一部 日本のものづくりの危機

パナソニック、シャープ、ソニーと、大手家電がそろって、軒並み大赤字となっている。一見好調に見える自動車業界も、収益の中身を見ると、金融頼みとなっている。日本の製造業は大丈夫なのか。その行方と打つべき方策について考えてみた。

(編集部 村上俊樹、居島有希)

日本の家電メーカーの悲鳴が止まらない。

2012年3月期の決算では、パナソニックは7721億円、シャープは3761億円、ソニーは4561億円と、家電3社は記録的な赤字 となった。とりわけパナソニックは、7000億円越えの赤字を2年連続で計上する見込みで、63年ぶりに株主配当が0円となる異常事態に。最近の円安で、現在はやや持ち直しつつあるが、厳しい状況が続きそうだ。