トヨタ自動車はこのほど、燃料電池車の普及を促すために、世界で保有する燃料電池車関連の特許を全て無償化すると発表した。今回の決定について、同社社長の豊田章男氏は6日、東京都内の記者会見の場で、「地球人として、このあとの50年を見据えてやるには、こういうことが大事という判断」と自身の考えを述べた(6日付レスポンス)。
トヨタ自動車は昨年12月、世界初の量産型燃料電池車「ミライ」の一般販売を開始した。燃料電池車とは、水素と酸素が結合する反応から生み出された電気を動力として走行する自動車。国の補助金を使えば、520万円程度で購入可能だ。排出するのは水だけで、まさに未来を担うにふさわしいエコ自動車だ。
しかし、ガソリン車などに比べると価格が高く、燃料の水素を供給するインフラが整っていないなど課題も多い。今回の特許無償化の背景には、燃料電池車分野に参入する企業を増やし、企業間競争を促し、技術革新を進めるという意図がある。同時に、エネルギー会社と協力しながら、水素ステーションなどのインフラ整備にも力を入れたいところだ。
実は新しいエネルギー源について、大川隆法・幸福の科学総裁は著書の中で、20年以上前から言及していた。
「未来的なエネルギー源が、まだ、ほかにあるかもしれません」「現在の、ガソリンを燃やすだけの車であっては、生き残れないようになっていくでしょう」(『成功の法』幸福の科学出版刊・1988年発刊の『現代成功哲学』の改訂版)
また、本誌2004年11月号でも提言(関連記事参照)している他、大川総裁は2008年に燃料電池車の必要性について国防の観点からも述べている。
「水素は、(化石燃料の)代替エネルギーとして非常に有望です。国家戦略として、これにもっともっと力を入れ、全国にガソリンスタンドの代わりに水素スタンドを建て、水素自動車が走れるようにしなければいけないと思います」(『朝の来ない夜はない』幸福の科学出版刊)
豊田章男社長がこれらの書籍を読んだかは定かではないが、今回のトヨタ自動車の決定は英断だ。他社の幹部たちからも「ものすごい英断」「歓迎すべき」と賞賛する声は多い。
アメリカのアップル社と韓国のサムスン電子の特許を巡る訴訟合戦は記憶に新しいが、トヨタ自動車はまったく別次元の考えを発信していると言えるだろう。技術革新はもちろんのこと、未来をつくるようなトヨタ自動車の製品開発からはこれからも目が離せない。(冨)
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2013年3月号記事 ものづくり日本復活の条件 - トヨタが自動車メーカーでなくなる日
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2014年6月14日付本欄 特許をすべて公開するビックリ経営 「敵はガソリン車」と言うEV車メーカーの"殊勝な算段"
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2014年5月15日付本欄 TPP交渉、知財分野で進展 「知識の時代」に乗り遅れる中国
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2004年11月号記事 未来を拓くエネルギー革命