インターネット通販大手のアマゾンジャパンは27日、仙台市内で記者会見し、顧客の問い合わせを24時間態勢で受けるコールセンターを同市青葉区に新設すると発表した。来年3月に開業し、現地採用を含め、将来的には最大1千人を雇用する予定。

仙台市を進出先に選んだ理由について、同社は「(東北地方の拠点で)優秀な人が集まっている」と説明した。奥山恵美子市長は「東日本大震災で雇用が厳しくなっており、市民に希望を与える明るいニュース」と歓迎する意向を示した。

同社によると、2000年に書籍単独の通販で開業して以来、家電製品や楽器など扱う商品のカテゴリーが20以上に増え、品数も2千万点を超えた。急増する顧客の問い合わせに対応するため、昨年末にセンター新設を決めたという。

好調でかつ社会的責任感の強い企業は、雇用の落ち込んでいる被災地をも救う力を持っているということだろう。

経営の神様・松下幸之助氏は1968年、「松下電器は過疎地域の産業振興を行う」と宣言し、九州の大分・長崎・鹿児島の3工場新設を発表した。政府や自治体は過疎化対策をさまざまに行っているが、むしろ、企業の社会的責任として過疎化の問題を考えたほうがいいのかもしれない。アマゾンに続く英断を期待したい。(清)