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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

台湾では13日、4年に1度の総統選挙と立法委員選挙が実施された。

与党・民進党は頼清徳現副総統を総統候補として、駐米代表(大使に相当)の蕭美琴を副総統候補として擁立。選挙直前に予想されていた通り、このペアが勝利した。得票数は558万6019票(得票率40.07%)だった。

一方、国民党は新北市長だった侯友宜を総統候補に、趙少康を副総統候補に指名したが、467万1021票(得票率33.48%)で敗れた。

鍵を握ったのは、第三勢力である台湾民衆党の柯文哲であった。柯は長い間、国民党と民衆党の連合(青白合作)を模索してきた。結局、柯は自分が総統候補になると譲らず、「青白合作」を決裂させた。

総統候補として出馬した柯と、副総統候補となった呉欣盈のペアは、当選には至らなかった。だが369万0466票(得票率26.45%)という結果であり(*1)、仮に侯友宜と柯文哲が総統・副総統ペアになって出馬していたら、結果はどうなっていたか分からない。

(*1)2024年1月13日付『自由時報』

熾烈だった中国共産党の選挙干渉

ぎりぎりにも見えた民進党の総統選勝利であったが、今度も中国共産党の干渉は激しかった。主導したのは共産党の序列4位で台湾政策を担当する王滬寧である。