《ニュース》

大統領選を来年に控える中、長らく争点となってきた「不法移民問題」をめぐって米バイデン政権は火消しを図るものの、不法入国する人々の数は再び増加しており、再選への影響は免れないと見られています。

《詳細》

バイデン政権はトランプ前政権による不法移民への取り締まりを批判し、自らは「国境解放政策」を掲げてきました。

しかしその結果、国境に押し寄せる人々の数がかつてないほど増え、国内の治安が著しく悪化。リベラル・メディアからも、「バイデン政権下で、移民児童の人身売買や強制労働が増加している」と指摘されるなど、政策を撤回せざるを得ない状況に追い込まれてきました。

反発を受けてバイデン政権は5月、亡命申請手続きの厳格化措置を導入。しかしカリフォルニア州の連邦地裁が7月、人権団体などの訴えを受け、米国内法に違反していると判決を下す事態に。減少に向かうと期待されていた不法移民は増加に向かい、9月にはたった1日で7500人が不法入国しようとして止められたとのことです。

情報公開法に基づき政府の活動を監視しているシラキュース大学取引記録アクセス情報センター(TRAC)の情報と、国土安全保障省の報告に基づけば、バイデン政権以降、380万人が国境を越えてアメリカに入国し、そのおよそ半数が、違法に入国したまま捕まっていないとのことです(21日付ニューヨーク・ポスト紙)。

共和党下院が20日に公開した報告によれば、バイデン政権下での不法越境は580万件を超え、およそ160万人が不法に入国したとのこと。またある推定によれば、2021年のバイデン政権発足以降、米国内に居住する不法移民の数は16%増加し1700万人近くに上るといいます。ロイター通信も21日、「米国境に押し寄せる記録的な移民」がバイデン政権にとって新たな試練となると報じています。

不法移民問題に目をつぶるバイデン政権の姿勢を受け、テキサス州のグレッグ・アボット州知事らは去年から、不法移民にも寛容な姿勢を掲げるニューヨーク市などに、越境してきた人々を移送。同市には6月の段階で、10万人を超える移民希望者が押し寄せ、8月時点で市内のシェルターで寝泊まりする人が毎晩11万人を超える異常事態になりました。

同市は今月27日、ついに移民を受け入れるリソースが「限界に達した」とし、不法移民に対して、別の地域に移動するよう紙面での通知を開始したとのこと。以前はバイデン氏の国境開放政策を支持していたニューヨーク州知事のキャシー・ホーカル氏も25日、移民に対応するため国境警備隊を要請していることを明かしています。

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