《ニュース》

バイデン・ファミリーの汚職問題をめぐり、内部告発者が明かした一連の新事実を受け、大手メディアがジョー・バイデン大統領への追及の手をさらに強めています。

《詳細》

本欄6月5日付の「ワシントン・レポート」でも報じましたが、徴税機関である内国歳入庁(IRS)の内部告発者ゲイリー・シェイプリー(Gary Shapley)氏が5月、CBSニュースに出演し、「司法省が故意にハンター・バイデン氏に関する税務調査を遅らせていた」ことを公の場で初めて明言しました。

シェイプリー氏は同月26日に議会証言を行い、その内容が今月22日、正式に公開されました。明らかになった詳細な証言内容を受け、各メディアがシェイプリー氏に改めて取材。大手メディアを含め、ハンター氏の父親であるジョー・バイデン氏を中心論点として扱い、議論が新たな展開を見せています。

CBSニュースは27日、シェイプリー氏への独占インタビューを放送しました。その中でシェイプリー氏は、ハンター氏に関する捜査を進めていた当時、父親であるジョー・バイデン氏に辿り着きそうな調査は止められたことを明かしています。

ハンター氏が外国企業とやり取りしていたメールに登場する、「父(dad)」や「ビッグ・ガイ(the big guy)」に関連する資金の流れを調査しようとすると、上層部から阻まれたとのことです。

この件に関連して特に注目されているのが、ハンター氏が中国共産党と繋がりがあるとされる中国企業に対し、父親の名前を利用して金銭の支払いを要求していたことを示す一連のメッセージです。

シェイプリー氏の議会証言や下院監視委員会の発表によれば、ハンター氏は取引相手の一つであった中国のエネルギー複合企業・中国華信能源(CEFCチャイナ・エナジー)に対し、父親の名前をちらつかせ、1千万ドル(約14億円)を要求していたとのこと。ハンター氏は複数の人物に向けて、父親の名前を出した上で、自身の要求を速やかに実現するよう求めています。

例えばハンター氏は、中国共産党の関係が指摘されていたCEFCの会長が望むことを、「バイデン(夫妻)は正確に行うことができる、私が知る限り最高の人物だ」とも語っています。メッセージが送られた数日後には、CEFCから、ハンター氏が中国の仲介者らと開いた会社ハドソン・ウエストIIIの銀行口座に500万ドル(約7億円)近くが送金されたとのことです。

バイデン一族による汚職の実態が明らかになるにつけ、バイデン政権を支持してきたリベラル・メディアも、追及の手を強めています。

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