《ニュース》

激戦が繰り広げられているウクライナ東部の要衝バフムトについて、多くのマスコミがロシア軍に多大な損害が出ていると伝える中、ウクライナ軍にも壊滅的な損害が出ていると、米紙ワシントン・ポストなどがこのほど報じています。

《詳細》

ワシントン・ポストによると、バフムトやソレダルなどで戦闘する第46独立空中強襲旅団の大隊長が、この1年の戦闘で自らが属する部隊約500人の兵士のうち、約100人が戦死して約400人が負傷したため、戦闘経験のある者は「数人しか残っていない」と語りました。

手榴弾を投げたことがなく、銃撃もしないなど、十分な訓練を受けていない未熟な兵で部隊は補充されており、ソレダルでは、銃撃を受けて陣地を捨てる兵士がいたと証言。ウクライナ政府高官は「人手も武器もない」と述べ、西側の支援が少ないために個人的には大規模な反攻に出られるとは思っていないと述べたといいます。

また、ウクライナの英字紙キエフ・インディペンデントが15日に現地をレポート。ある歩兵が、27人の小隊のうちバフムトから脱出できたのは「ほんの数人」しかおらず、残りは死傷したと説明。第58独立機動化歩兵旅団の歩兵は、ロシア軍は多量の火力を使ってウクライナ軍が隠れている家屋を破壊しているため、陣地を放棄させざるを得ないと指摘。「ロシア人はスマートに戦っている」と述べました。

さらにキエフ・インディペンデントが5日に公開した記事では、バフムト周辺で戦うウクライナ兵10人以上にインタビュー。「砲撃支援を要請しても、全くサポートがない」「歩兵が乗る車両が不足しているために歩かざるを得ない」「無人機をうまく活用できる人がいない」「2週間しか訓練を受けていない兵士が投入されている」「弾薬が圧倒的に不足している」などの窮状を詳細に伝えた上で、「部隊は守られていない(つまり、捨てられている)」と語る兵士のコメントを報じました。

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