4 日にブリュッセルで行われたEU首脳会談で、独仏が提案した経済政策の協調を図るプランに批判が続出したと5日付の英紙フィナンシャル・タイムズなどが報じている。ギリシャに端を発した放漫財政などによる財政問題がアイルランドやスペイン、ポルトガルなどに拡大を見せる中、独仏は債務の上限規定や、年金支給年齢引き上げ、法人税率の下限設定、インフレ率に連動した賃金制の廃止などによる広範な政策の協調を提案したが、各国の主権に踏み込む内容である点から、反発が相次いだ。

ユーロ危機への対処については、ギリシャなどの輸出競争力を増すための脱退が一つの極である一方で、一部の国の放漫財政が今回の事態を招いたことから、政策のさらなる統合を進めるべきとの声もある。「欧州合衆国」はEU 発足時からの夢ではあるが、各国制度は各国の歴史や文化を背景として、それぞれの経緯があって成立してきたものであり、それらを統合するにも限界というものがあるだろう。EU崩壊の可能性については昨年8月号の本誌でも取り上げたが、多様な小国の寄り合い所帯のひずみが時を追って明らかになってきているように思える。

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