来月4日までの日程でアメリカを訪問中の、沖縄県の翁長雄志知事は28日(日本時間)、最初の訪問先のハワイで、アメリカ議会上下両院の議員らと会談した。米軍普天間基地の辺野古への移設反対を、直接アメリカ側に伝えることで、計画の断念を求めていく狙いだ。
翁長知事と会談した、メイジー・ヒロノ上院議員とトゥルシー・ガバード下院議員はそれぞれ「日本政府は沖縄の人たちともっと話し合うべき」「初めて聞く話ばかりだ。議会で取り上げたい。次に会う機会があれば、もっと前に進めたい」などと語った(28日付沖縄タイムス電子版)。
翁長知事は30日から首都ワシントンを訪問する。
この翁長知事の訪米について、29日付朝日新聞は「『自治体外交』活路探る」と、後押しでもするかのような肯定的な見出しで報じている。この「自治体外交」とは、翁長知事が昨年12月の知事選でも掲げていたスローガンだ。しかし、地方自治体が国家レベルの外交問題に介入して、国家を振り回すことは正しいことか。
翁長知事の"自治体外交"の行き着く先とは?
仮に、翁長知事がこの"自治体外交"を成功させたとしたら、どうなるだろうか。
基地の移設が中止されるばかりか、米軍基地そのものが沖縄から撤退し、日米同盟には大きな亀裂が入り、沖縄周辺に軍事的な空白地帯ができてしまう。ここを突くのは、間違いなく中国である。南シナ海のスプラトリー諸島のファイアリー・クロス礁に滑走路をつくるなど、アジア周辺に海洋進出を進める現状を見ても明らかだ。
中国が沖縄を侵略すれば、沖縄は第二のチベット、第二のウイグルとなり、その後、中国の本土侵略の足場となって、日本全体が危機にさらされるだろう。
民意は大事だが、日本全体における沖縄の民意は1%程度。この1%によって、国家の存立が危うくなるのは本末転倒だ。自治体が国家の主権を揺さぶり、外交や国防で国難を招くことは許されない。
米軍基地という抑止力を軽んじた“平和運動"は、中国の侵略を呼び込むことにしかならない。平和や自由を守るにはコストが必要なのだ。(冨)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『真の平和に向けて』 大川隆法著
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幸福の科学出版 『沖縄の論理は正しいのか?―翁長知事へのスピリチュアル・インタビュー―』 大川隆法著
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