安倍晋三首相は22日からインドネシアで開催されるアジア・アフリカ会議(バンドン会議)において、今夏に発表する、戦後70年の安倍談話の原型となる演説を行う予定だ。そこで、先の大戦への「反省」を述べるが、中国や韓国が期待する「お詫び」の文言は入れず、戦後の日本が平和に貢献してきた面と、未来に向けての抱負を述べるという。各紙が報じた。

小泉純一郎元首相も同じく、2005年のバンドン会議で小泉談話の原型を発表していたが、その内容は村山談話の「侵略戦争の反省とお詫び」の文言をそのまま含んだものだった。

インドネシア紙「ジャカルタ・ポスト」は小泉氏のお詫び発言について、日中関係改善のためだと紹介した。日中首脳会談実現に向けて、中国の機嫌を伺うためのお詫びだったとしている。

バンドン会議には中国以外にも、太平洋戦争において日本に侵略されたとされるアジアの国々が多く参加していた。しかし、インドネシア紙が、日本のお詫びの対象として想定したのは中国だけだった。そこには、日本がアジア各国に対してお詫びをするのは不自然であるという前提がある。

日本は「アジアの解放」を掲げて大東亜戦争を戦い、敗戦後、日本が占領した国々は植民地支配からの独立を目指した。

1955年の第一回バンドン会議に参加したアジアの国々は、ようやく独立に成功したばかりであり、アフリカの国々も、日本が作った流れの中で独立を勝ち取っていた。日本の代表団はそこで、首脳たちから「大東亜共同宣言がよかった」などの声をかけられ、歓迎されたという。

日本による戦争の反省やお詫びは、バンドン会議に参加する国々の多くにとって、「独立を手伝ってすみません」というメッセージも含んでしまい、かえって失礼になりかねない。

会議の参加国の独立を尊重するなら、安倍首相の発言は「日本は悪い国だった」という欧米中心の歴史認識の見直しを迫るものになるはずだ。(居)

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