下村博文・文科相に、政治資金にまつわる様々な疑惑が噴出し続けている。

下村氏はこれまでの国会答弁において、全国に6つある、名前に「博友会」とつく団体を、収支報告書を提出する義務のない「任意団体」であり、博友会を通じて寄付などは集めていないと説明してきた。全国の博友会が開催する講演会では、「講演料もお車代も一切受け取っていない」としている。

ただ、下村氏は、反社会組織とつながりのある男性からの献金を否定しておきながら翌日には認めたり、講演会でのタクシー代を博友会が負担したことを認めるなど、国会での答弁を何度も覆している。

答弁などでは落ち着いて振る舞っている下村氏だが、3日に安倍晋三首相に辞意をもらしていたと、6日付西日本新聞が報じた。安倍首相は慰留したという。同記事はまた、政府高官の言葉として、「下村氏は数々の疑惑を否定しているが、それが虚偽だと反証されると厳しい。いろいろ(疑惑が)出てくると状況が違ってくる」と紹介している。

5日には、博友会の元幹部が実名で記者会見を開き、10年ほど前に「中部博友会」が主催した講演会で、下村氏に直接、講演料10万円を手渡したと証言。また車代として数万円を2回支払っていたとした(6日付朝日新聞など)。

下村氏は6日午前の会見で、この元幹部の証言を「何度も答弁して説明しているが、講演料、お車代いただいておりません。何かの間違いであるのではないかと思う」と否定している(6日付FNNネットニュース)。

6日午後の国会答弁でも、民主党の柚木道義衆議員に「講演料10万円を受け取ったのか、車代を2回に渡って受け取っているのかどうなのか、ファクトについてお答えください」と追及され、「受け取っておりません」とまたも否定。柚木議員は元幹部の参考人招致を求めた。

柚木議員によれば、下村氏に講演料を渡してきたと証言する関係者は複数人いるという。彼らは下村氏を長年支えてきた人たちだ。彼らは下村氏の一連の問題や答弁を見て、教育行政の長であることに疑問を持ったからこそ、証言することを決めたのだろう。

道徳では、「ウソはいけない」と教える。文科相には、子供たちに手本を示せる人物がふさわしい。

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