下村博文・文部科学相が、金銭問題に関するさまざまな疑惑を追及され、国会で否定している。だが、週刊誌や大手紙は、下村氏の国会答弁が「ウソ」であると報じている。

特に、大きく報じているのは、5日発売の「週刊文春」(3月12日号)だ。

下村氏の「講演料もらっていないはウソ」 幹部が実名告発

下村氏は、政治団体として届け出がなされている「博友会」という後援組織を東京に持っている。

だが、そのほかにも、「東北博友会」「群馬博友会」など名前に「博友会」とつく組織が全国に6つある。この6つの博友会は政治団体として登録されていない任意団体であり、収支報告書を提出する義務がないため、その資金の流れを第三者が把握することは難しい。

こうした全国の博友会が主催する会合で下村氏が講演する際、下村氏側に講演料が支払われていることが疑われているが、収支報告書には記載されていない。だが、もし講演料を受け取っていたら、政治資金規正法に反することになり、違法献金の疑いがある。下村氏は国会で、野党議員の追及に「受け取っていない」と繰り返してきたが、真相はどうか。

この点について、週刊文春が、博友会のある元幹部の実名証言を掲載。講演会を開いた際に宿泊費をその博友会が負担していたほか、「(講演料10万円を)封筒に入れて下村先生本人に渡しました。講演料をもらっていないというのはウソです」と語ったという。

全国の博友会が「任意団体」というのも「ウソ」

また下村氏は、国会答弁で全国の博友会について、「任意団体であり、活動実態は分からない」と話してきた。

しかし、週刊文春は、毎年、全国の博友会から選出された代表と下村氏が、下村事務所が費用を負担する形で一人2万円ほどかかる食事会を開いており、そこで年間の講演会のスケジュールを調整している点も、参加者の証言として紹介している。

記事では、ほかにも、ある博友会の現役幹部の「年会費が政党支部への寄付金として処理されていることも間違いない」という証言や、下村氏の秘書官が、全国の博友会の会員の会費納付状況を把握しており、未払いの会員がいると督促するという密な関係であることなどを明かしている。

また、5日付産経新聞は、「近畿博友会」の会長が、「(政治団体として)届け出ると(政治資金規正法上の)規制がかかる。収支を明らかにする必要が生じる」と、政治団体の届け出を見送っていた疑いがあることを報じた。同博友会への年間12万円の会費について、「各自が(下村氏が代表の)政党支部に支払っている」と、寄付として処理されていると語ったという。

こうした証言が真実ならば、下村氏は「任意団体」を通じて、不透明な事実上の政治資金を集めながら、それを指摘されても堂々としらを切ったことになる。

今回の下村氏の「政治とカネ」の問題、そして国会での追及に対する答弁の二転三転ぶりを見ても、下村氏は、教育や道徳の大切さを説く文部科学相の任にふさわしい人物とは言えないのではないか。

支援者に愛想をつかされ、次々と新証言が出てくる下村氏の「政治とカネ」の問題。今後も、下村氏への追及は厳しいものになりそうだ。

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