あと数日でやってくる2015年は、いくつかの代表的SF作品の舞台となった年だ。

地球を襲う謎の敵と、地球を防衛する人型兵器が闘う、人気SFアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。アメリカを代表するSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で描かれた未来社会。そして、漫画家の手塚治虫氏が、代表作『鉄腕アトム』の続編として企画したアニメ『ジェッターマルス』。どれもが、2015年という設定だ。

SF作品で描かれた未来社会のテクノロジーの中には、実現しているものもある。

例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場する携帯情報端末や生体認証技術は、すでに日常的に使われている。アメリカの人気コミックの『アイアンマン』に登場する、人間の身体能力を増強するパワードスーツは、多くの大学や企業で研究されている。東日本大震災の際には、試作品が一部の原発作業員に提供された。多くのSF作品でお馴染みの「空飛ぶ自動車」についても、スロバキアの航空機ベンチャーのエアロモデル社が、10月から飛行テストを開始した。

SFで描かれるような想像上の未来も、時間を経て実現され、産業化されていくのだ。

そう考えると、SF作品の中に出てくるテクノロジーには、現代社会の様々な社会問題を解決するためにも、真剣に実現化を目指すべきものが多くある。

例えば、高齢化が進む中にあって、アトムのように力があり、高い知能を持ったロボットがあれば、高齢者の代わりに重い荷物を運んだり、体の不自由な方の移動を支えたりすることができる。日本で深刻化している労働力不足も解決されるかもしれない。より進化した航空技術が生まれれば、世界レベルでの交通革命を起こす可能性もある。

こうした技術がもし日本で誕生すれば、国富を生み出す未来産業として、行き詰まった経済の活路となるかもしれない。

今、科学技術で未来を切り開いていく鍵は「異次元」の発想だ。そういう意味でSFは馬鹿にできない。そこに描かれた未来社会の実現に本気で取り組む科学、そうした構想に本気で投資する人が必要だ。(賀/冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『「未来産業学」とは何か』 大川隆法著

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