2014年の衆院選の投開票が迫っています。「比例」はどの政党に入れようか……。選択肢は絞られても、1つに決まらない人は多いはず。本欄では、「保守政党のどこか」とだけ決めている人向けに、「自民・維新・次世代・幸福」の4党に絞った経済政策比較を行います。
「キャッチコピー」が比較のミソ
今回の選挙は、「消費税のあり方」「アベノミクスへの評価」が大きな争点です。その割にはどの保守政党も、消費税をすぐ上げることには反対で、規制緩和も約束している……。一見、似た者同士に見えます。
しかし、各党が独自性をPRする「キャッチコピー」を見てみると、各党の違いがよくわかります。
(1)自民党「景気回復、この道しかない」
自民党のキャッチフレーズからは、「アベノミクス」が最大の“売り"であることがわかります。マニフェストを見ても、政権交代前より改善した経済指標を並べ、2年間の実績を前面にPRしています。
一方、このキャッチフレーズには、「消費税の延期を決意しました」という意味も込められています。逆に言えば、「消費増税は失敗でした」という宣言にも聞こえます。そんな自民党ですが、「消費税を1年半延期したあとは、必ず10%に上げる」という約束もしています。「この道しかない」という確信が本当なのか、疑われるところです。
(2)維新の党 「身を切る改革。実のある改革」
維新の党が最も重視しているのが、「既得権益や規制の切り崩し」です。同党は、アベノミクス「第三の矢」が、掛け声だけで終わっていると指摘。支持基盤の既得権益が、しがらみになっているからだ、と訴えます。行政改革や規制緩和は、しがらみのない同党こそできると、自民党との、「支持基盤の違い」をPRしています。
消費税については、10%への増税は凍結し、8%に留めるべきと主張します。
(3)次世代の党 「次世代が希望を持てる日本を」
同党が、「次世代」という言葉で強調しているのは、「次世代に国の借金のツケを払わせない」というもの。国家経営の責任を明確化する「財政責任法」の制定などを主張しています。
そのため、「中長期的には、消費税率を引き上げるのは選択の余地のない課題」と主張しています。しかし、今回の選挙では「増税の準備ができていない」という理由で、「延期」を訴えます。
(4)幸福実現党 「この国に、もっと自由を」
幸福実現党が強調するのは、各政策の基盤にあたる、「自由」という国家理念です。
同党は、「増税と、規制緩和の失敗で、アベノミクスは失敗した」と訴えます。失敗の背景にあるのは、"思想"の限界。つまり、「国民の負担を増やして社会保障を維持する」「経済に国家が過度に統制しようとする」という、「大きな政府」の考え方が経済成長を妨げると考えます。
幸福実現党は、消費税を8%から5%に減税することを主張。大胆な規制緩和も訴えます。先進国経済では、民間の活力を引き出すことが経済成長への道。経済成長すれば、結果的に法人税や所得税による税収が増えます。減税と規制緩和による経済成長こそが、同党が掲げる「自由」の意味です。
実は、同党には「"政策の歴史"が、4党のうち最も古い」という特徴があります。「インフレ目標」「消費税反対」「規制緩和」「財政出動」などは、立党2009年から掲げており、ブレていません。
「国家理念から積み上げられた政策なので、一貫している」と同党は訴えます。
このように、各党のキャッチコピーから、政策の背景にある考え方や、各党の立ち位置が見えてきます。どの政党が、国民を豊かに、幸福にできるのか、しっかり見抜くことが求められます。
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