増税を主張するのは、自民党、公明党、民主党、次世代の党、維新の党。
共産党、社民党は、金持ちに課税。でも、結局は「増税」せざるを得ない。
減税こそが、デフレを脱却し、経済成長を実現し、税収を増やす。
4月の消費増税後、景気は落ち込み、7~9月のGDP成長率もマイナス1.6%と、大幅に予想を下回りました。安倍首相は11月、消費増税10%に上げる時期を1年半先送りにすることを表明し、衆議院を解散。選挙戦ではアベノミクスの評価が大きな争点となっています。そこで今回、各政党が発表したマニフェストなどを参考に、それぞれの経済政策のポイントを比較してみます。
消費増税はどうするつもり?
まず、消費増税などの税制について各党は、どう考えているのでしょう。
消費増税を延期するべきだと主張しているのは、自民党、公明党、民主党、次世代の党、維新の党など。「2017年4月に延期」と期日を明記したのは自民党と公明党で、食品などの生活必需品については軽減税率の導入を目指しています。自民党は、法人税については、20%台まで下げることを公約に掲げています。
民主党、次世代の党は、増税延期の具体的な期日を示していません。維新の党は、景気状況を見て増税を実施するかどうか判断する「景気条項」を付けるべきと主張しています。
共産党は、消費増税そのものを中止して、逆に、大企業や富裕層への課税強化を訴えます。
8%から5%への消費減税を主張するのは幸福実現党と社民党の2つ。社民党は、代わりに大企業と富裕層への課税強化を掲げています。
幸福実現党は2009年の立党以来、一貫して消費増税に反対し続けており、「減税による景気回復」を訴えてきました。今回も、消費減税のみならず、法人税も20%に減税し、相続税や贈与税については廃止することを目指しています。
細かい部分で減税を主張している政党もありますが、税制全般を見たとき、「減税」を主張しているのは幸福実現党のみです。
どうすれば景気が良くなるの?
安倍首相、本当に「この道」しかないんですか?
ほかの経済政策についてはどうでしょうか。
自民党はデフレ脱却を目指して、アベノミクスの「三本の矢」を強力に推進するとしています。特に三本目の矢「成長戦略」として、農業・雇用・医療・エネルギーなどの岩盤規制を打ち破るとしていますが、アベノミクス失速の大きな原因は、この規制緩和が不発だったことにあると指摘されています。果たして、今後、実現できるのでしょうか。
また、自民党は「経済再生と財政健全化を両立」とうたっていますが、4月に8%への増税を実施したのは、この「両立」を目指してのことでした。再びそれを公約に掲げていますが、経済の拡大と縮小という相反することを、同時にできるのでしょうか。
民主党は、子育て支援など「人への投資」で、可処分所得(手取りの収入)を増やすことを主張していますが、「子ども手当」のようなバラマキ政策の感が否めません。
また、次世代の党は、農業・医療・エネルギーなどの岩盤規制の打破を掲げています。
幸福実現党の成長戦略は、農業・医療などの規制緩和に加えて、都市開発や航空・宇宙産業、ロボット産業など、数百万人単位で雇用が生まれる基幹産業への投資などスケールの大きなものです。
経済の活性化は、バラマキではなく規制緩和が不可欠との認識を持つ政党が多いようです。こうした規制緩和の実現可能性は、国民の自由な経済活動をどれだけ尊重できるか、また、既得権益といわれる政治権力とカネ・票との結びつきをどれだけ断ち切って、嘘のない政治ができるかにかかっていると言えます。
アベノミクスは「中途半端」だった
アベノミクスは、第一の矢である「金融緩和」と、第二の矢である「財政出動」までは、ある程度、効果がありました。株価は上がり、雇用も増えました。
しかし、税収を増やすことを焦って、4月に消費増税をした辺りから大きく傾いています。さらに、既得権益の打破や規制緩和を進めることができず、第三の矢が頓挫したことで、その失速は決定的なものとなりました。
実は、このアベノミクスを指南したのは、幸福実現党でした。
2009年の立党以来、幸福実現党は金融緩和や3%のインフレ目標の設定、交通などのインフラ投資、農業への参入自由化などの規制緩和を掲げてきました。アベノミクスは、幸福実現党の経済政策に沿ったものと言えます。
ただ、決定的に違ったのが、第三の矢である「成長戦略」の中身と「消費増税」の導入です。成長戦略の違いは、上記で比較した通りですが、幸福実現党はこれまた立党以来、消費減税を訴え、減税によるデフレ脱却、経済成長を一貫して主張してきました。なぜなら、日本は1989年に消費税3%を導入し、97年には5%に増税しましたが、その結果20年以上、景気の低迷が続き、肝心の政府の税収は減少傾向にあるからです。
8%に増税すれば、アベノミクスが失速することは分かっていたことなのです。やはり、政府が目指すべきは、消費税をはじめとするさまざまな税金を軽くして、デフレを脱却し、経済成長を実現した結果として、税収を増やす「減税路線」でしょう。
2014年衆院選 経済(消費税) 各党政策比較
経済(消費税) | |
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自民党 | 経済再生と財政健全化の両立 消費税10%。軽減税率導入 数年で法人税を20%台。金融緩和 |
公明党 | 17年に消費税を10%に増税 軽減税率や中低所得者への給付金 燃料費高騰対策、資金繰り対策 |
幸福実現党 | 消費税5%、法人税20%に減税 所得税の一律税制化。相続税、贈与税廃止。規制改革。金融緩和 |
民主党 | 厚く、豊かな中間層の復活 消費増税10%の延期。補助金交付で円安対策。柔軟な金融政策 |
維新の党 | 消費税10%延期、日銀法改正 歳出削減、公会計の複式簿記化等 規制改革(農業、電力、子育て等) |
次世代の党 | 消費税10%の延期(増税は賛成) 財政責任法の制定。規制改革 所得税の一律化。法人税減税 |
共産党 | 消費税10%の中止。大企業、富裕層の課税強化(富裕税創設) ブラック企業規制法。労基法改革 |
社民党 | 消費税は5%へ。公共事業の中止 大企業、富裕層の課税強化 最低賃金を時給1000円に引上げ |
生活の党 | 消費増税凍結。各種手当(子育て支援)で可処分所得増加 非正規労働者の正規化を拡充 |
比較の ポイント (対立軸) | 消費税は減税、延期、増税 景気回復と財政再建の考え方 小さな政府vs.大きな政府 自由競争vs.格差是正 |
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