中国のネットでは、"50 cents"(50セント)という言葉の検索が禁止されている。

中国の情報統制機関が、メディア上で共産党に批判的なメッセージをブロックすることは有名だ。これは、NHKやCNNのテレビ報道が突然黒い画面に変わることからも分かる。こういった情報の「ブラック・アウト」はインターネット上でも行われており、中国政府に対して不都合な言葉や情報は、検索することすらできない。

なぜ「50セント」という言葉が中国の諜報機関の検閲網に引っかかるのか。

「50セント」とは、中国のプロパガンダを発信するプロジェクトを指して使う言葉で、中国の諜報機構が雇った人々に、投稿一つにつき50セント支払うことから知られている。ハーバード大学の研究によると、25万~30万人がこの「プロパガンダ・マシーン」の一部であり、国内外のニュース・サイトやブログで、親中・反米・反日の投稿をすることで、中国を擁護している。「50セント」のメンバーは、アメリカを非難の対象とするように世論を誘導し、共産党が中国の血塗られた歴史を終らせたなど、共産党支持の雰囲気を作る。

英誌ニュー・ステーツマンは、「50セント」の隊員の一人にインタビューしている。26歳匿名の男性は同誌上で、「これは一種の心理戦ですね。悪いものを更に悪く見せたり、物事を大げさにしたり、見た人が情報の信憑性を疑うように誘導したりします」と語った。

「50セント」は、中国共産党を批判的な情報から「防御」するだけでなく、中国国内や海外の世論を誘導するための「攻撃」の武器となっている。

現代において、情報戦が国の行く末を左右するといっても過言ではなく、実際にはなかった「南京大虐殺」をでっち上げるなど、中国の情報操作は確実に日本の外交にも悪影響を与えている。日本も国として、諜報部門の強化を図るべきだ。また同時に、国民一人一人が、正義に基づき自らの意見を発信できるよう努力していかなければならない。(中)

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