ここ1週間余りの間、従軍慰安婦問題に関する韓国のロビー活動の成果が、立て続けに明らかになっている。以下に紹介する。

  • 米ニュージャージー州では、地元の文化財団が4日、全米で6つ目となる「慰安婦」碑を設置。周辺には、12体の血まみれの「慰安婦マネキン」も設置され、日本軍の"残虐さ"が強調されている。同州のユニオンシティによると、マネキンはあくまで教育目的だという。

  • 国連のピレイ人権高等弁務官が6日、日本に対し、元慰安婦への賠償を要求。同氏は、韓国の潘基文国連事務総長が任命した人物であり、人権問題に熱心であると知られる。

  • アメリカでは4日、ホワイトハウスと国務省の関係者が、元慰安婦と面談し、賠償問題の早期解決を約束した。

  • 米国務省のサキ報道官が、5日の記者会見で、「旧日本軍が1930-40年代に性を目的に女性の人身売買に関連したことは嘆かわしいことであり、その規模は大きく、明らかな人権侵害だ」と述べた。

  • 14日から18日の日程で、初めて訪韓するローマ法王が、元慰安婦と面会する予定。この間、韓国では、日本から独立した「光復節」を迎えることになるが、法王の言動に注目が集まっている。

本誌や本欄でも、再三にわたって述べているが、従軍慰安婦問題は事実無根であり、朝日新聞や韓国の反日団体などがつくり出したものだ。朝日新聞もこのほど、「韓国の済州島で女性を強制連行した」とする吉田清治氏の証言を元にした記事を取り消すなど、報道の一部に誤りがあったことを認めたが、誤報を垂れ流し続けた罪は大きい。

しかし、問題なのは朝日新聞だけではない。今回、日本が表立って反論したのは、ピレイ氏の発言を受けた7日の記者会見で、菅義偉官房長官が語った「慰安婦問題は日韓請求権協定により完全に解決済み」と述べた程度。これでは、政府発信としては頼りなく、「従軍慰安婦問題はあった」と捉えられても仕方がない。決まり文句のように同じ言葉を繰り返す日本と比べれば、アメリカや国連などを慰安婦で巻き込む韓国ロビー活動は激しさを増すばかりだ。

こうした外圧の背景にあるのは、広島・長崎への原爆投下や8月15日の終戦記念日などを控える日本全体を覆う"感傷ムード"。原爆を投下したアメリカの「罪」をかき消したい戦勝国の思惑が透けて見える。韓国人がトップに立つ国連や戦勝国のアメリカなどは、日本を"犯罪国家"に置き続けたいがために、慰安婦問題で協力的だ。

国際的な圧力を前に、日本はこのまま無策でいいのか。(山本慧)

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