25日付各紙朝刊から記事を拾い読みしてコメントする。

日米印長崎で合同洋上演習(産経新聞など)

日本の海上自衛隊と、アメリカ・インド両国の海軍が、四国から沖縄の太平洋海域で、合同演習を始めた。30日までの演習では、対潜水艦戦や対水上戦などのほか、艦船への立ち入り検査や捜索・救難訓練を行う。海洋進出を活発化させる中国をけん制する狙いもありそうだ。

⇒新しくインドの首相に就任したモディ氏が、グジャラート州知事時代、少数派のイスラム教徒に対する暴動を阻止しなかったことを理由に、アメリカ政府は2005年、モディ氏に渡航ビザ発給を拒否するなどの経緯があり、米印関係は必ずしも良いとは言えない。だがモディ首相は、オバマ大統領の招待を受け、9月にアメリカで会談予定である。日米印の3カ国合同演習は、9月の米印首脳会談前に、両国の関係を深める布石になるだろう。

小保方氏、NHKに追い回されて負傷

STAP細胞の再現実験を進めている、理化学研究所の小保方晴子氏が、NHKの記者やカメラマンに追いかけられ、逃げる際に右ひじや首などを痛め、全治2週間のけがを負った。小保方氏は代理人の弁護士に「右手が痛いと実験に支障が出る」などと訴えている。NHKは謝罪した。

⇒逃げ込んだホテルのトイレの中まで付いてきたり、エスカレーターで前後をふさがれたりしたというが、まるで、「犯罪者扱い」だ。こうした取材手法は、「STAP細胞の発見は、ねつ造」という認識から来ているのではないか。いまは、再現実験の行方を静かに見守るべきである。

外務省が外交文書86冊を公開

外務省は24日、1960年から70年代にかけた昭和20年代後半から50年代にかけての外交文書86冊を一般公開した。この中で、中華民国(台湾)と中華人民共和国(中国)が争った国連代表権問題に関して、日本は台湾支持を貫いたが外交戦で敗れ、台湾が議場から退出したこと経緯などが明らかになった。

⇒「中国」の代表が、「中華民国(国民党政府)」から「中華人民共和国(共産党政府)」へと変わった時代の大きな転換点だった。その後、日本はアメリカとともに、中華人民共和国側から、中華民国との国交を断絶するよう促され、断絶に踏み切った。その中国が、現在、軍事的な脅威となっていることを考えれば、日本の判断は間違いだった。日本は今、改めて台湾と協調関係を築かなければならない時期を迎えている。

メキシコ、日本の国連安全保障理事会の非常任理事国選出に期待感(読売新聞)

メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領は、読売新聞の書面インタビューに応じ、2015年10月に予定されている国連安全保障理事会の非常任理事国選挙について、「日本は非常任理事国に10回選出されており、安保理の活動に重要な貢献をしている」と述べ、日本の選出に期待感を表明した。

⇒安倍首相は今月25日から27日にかけて、メキシコを訪問する。メキシコは世界有数の資源国で、資源に乏しい日本としては関係をより強化しておきたい。また、日本の国連負担金は第2位で、ペニャニエト大統領が言う通り、安保理の活動に重要な貢献をしている。本来ならば、日本は非常任理事国よりも常任理事国に選出されるべきだろう。(冨)

【関連記事】

2014年8月号記事 急ぐべきはSTAP細胞の存在の証明 - The Liberty Opinion 2

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8023

2014年3月7日付本欄 中国が『戦後秩序を守れ』と言うならば、台湾を国連に復帰させて中国を追放するのが筋

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7493

2014年1月16日付本欄 米印演習に招かれる海自 「海の同盟」で中国の脅威を防げ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7226