2030年代に有人火星探査を表明しているアメリカが、火星での着陸装置の研究を進めている。米航空宇宙局(NASA)は6月上旬までハワイでの実験を予定していたが、悪天候のため順延を発表した。

人類が火星で生活する上で必要な装置は、これまで火星に送ってきた無人探査機に比べると格段に重くなる。現在、火星で稼働中の探査機キュリオシティは900キログラムだが、6人が滞在している国際宇宙ステーションは400トンもある。火星に滞在する装置となれば、もっと重いものになるだろう。

地球上で着陸する際は、パラシュートなどを使い、空気抵抗で減速して着陸時の衝撃を抑える。しかし、火星の大気は薄いため、空気抵抗が地上よりも小さくなる。これまでの技術では減速しきれないため、NASAは、ドーナツ型のエアバッグのように膨らんで表面積を増やして空気抵抗を大きくする「超音速膨張式空力減速機」(SIAD-R)などを開発している。

ハワイで行われる予定だったのは、このSIAD-Rの試験だ。その内容は、ミサイル発射基地から気球で上空に運び、試作機につけたロケットエンジンで高度55キロメートルまで上昇。マッハ4に加速させた上で、SIAD-Rを膨らませてマッハ2・5まで減速させ、その後、超音速パラシュートを使って太平洋上に着水させるというものだ。

アメリカは有人宇宙飛行に熱心に取り組んでおり、民間宇宙会社のスペースX社も、繰り返し使える新型有人宇宙船「ドラゴン2」を先月末、発表した。

火星の表面に、かつて水が存在したというのは、これまでのNASAの研究でも明らかになっている。大川隆法・幸福の科学総裁のリーディングでは、現在も火星の地下に、ニワトリ型やタコ型、モグラ型の知的生命体が生活していると判明している。

日本政府はようやく最近、有人火星探査に言及し、宇宙庁の設置も提案される見通しだが、アメリカや中国、インドなどに比べて遅いと言える。JAXAなどが実施した「宇宙旅行に行ってみたいか」というアンケートでは、5割を超える人が関心を示している。日本は宇宙開発に、もっとエンジンをかけないといけない。(居)

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