憲法記念日を控えた2日、立党以来、一貫して憲法改正を訴える幸福実現党の釈党首が、東京・新宿駅西口で街頭演説を行った。
幸福実現党の釈量子党首は、憲法改正に向けた思いを次のように語った。
「日本の誇りは、長い時間にわたって、神道、仏教、キリスト教などの宗教や様々な文化を受容してきた歴史の中で、極めて高い精神性を持っているところにある。日本人の精神性の素晴らしさ、それを考えた時に、今こそ私たちは、未来の若者たちに誇りを持ってもらえる憲法、また、世界の人々が愛する憲法を自分たちの手で作りたいと思う」
演説に耳を傾けていた建設業の男性(40代)は、「日本人は長年、『日本が喧嘩を売らなければ、他国も手は出さない』と考えてきた。だけど、今後もそういう状況が続くとは限らない。冷戦を経て、世界の状況は変わっている。日本の将来のためにも、憲法改正すべきだと思う」と話した。
この演説と前後して、幸福実現党は、憲法記念日にあたり、声明を発表した。主な内容は以下の通り。
- わが国の安全が守られてきたのは、自衛隊の存在と、日米同盟による抑止力があったからにほかならない。
- 憲法9条改正、国防強化を急ぐべきだが、改憲には一定の時間を要することを踏まえ、憲法解釈の変更により、中国、北朝鮮といった「侵略的意図を持つ国家は9条の適用対象外」とし、有事への備えを万全にすべき。
- わが党は2009年の立党直後、「新・日本国憲法試案」を世に問い、新たな憲法の制定を訴えてきた。憲法を日本人の手に取り戻すことで、真の主権国家としての新生を図らねばならないと考える。
政府・与党は連休明けにも、集団的自衛権の行使容認に向けた議論が本格化させる見通し。だが、この議論をめぐっては、憲法9条の文言の解釈や、1950年代の「砂川事件」の最高裁判決の文言の解釈などで、政府・与党の中でも意見が割れている。しかし大事なのは、過去の事例をどう解釈するのかでなく、目前に迫っている中国・北朝鮮の軍事的な脅威に、どう対応すべきかを考えることだ。
無法者が家のドアを蹴破ろうとしているのに、「人を殴ってはいけない」という家訓について、家族で「緊急の時には、正当防衛が認められるのではないか」「いや、文字通り殴ってはいけないのだ」などと、解釈をめぐって議論しているようで、あまりにも情けない。
政府・与党は、速やかに集団的自衛権を行使できる環境を整え、憲法改正にも着手しなければならない。アメリカが「世界の警察官」の役割から身を引こうとしている今、日本は「自分の国は自分で守る」という当たり前の国家になる必要がある。(冨)
【関連記事】
2013年5月3日付本欄 憲法記念日に幸福実現党が声明を発表 「主権国家の憲法」を打ち立てよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=5984
2009年8月号記事 大川隆法 新・日本国 憲法試案