66回目の憲法記念日を迎えた3日、各党は憲法に関する声明を発表した。参院選の争点とされる憲法96条改正の是非について、各党の姿勢が明確になっている。自民党・日本維新の会が積極的である一方、民主党や自民党と連立を組む公明党などは否定的である。

立党から約4年間、国防問題を一貫して訴え続けてきた幸福実現党も同日、「憲法記念日にあたって」と題した声明を発表した。以下、要旨。

  • 戦後、日本が戦争に巻き込まれなかったのは、自衛隊の不断の努力と日米同盟による抑止力があったからに他ならず、「平和憲法の恩恵」ではない。
  • 憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあるが、中国や北朝鮮の行動からも、我が国を取り巻く現況が、この前提と大きく乖離していることは明らか。
  • 国家の第一義の使命は、「国民の生命・安全・財産」を守ること。国家が国民を守ることを禁ずる日本国憲法は「主権国家」の憲法たり得ない。
  • 幸福実現党は、参院選で憲法改正を公約として掲げる。改正までは憲法解釈の変更により、「平和を愛する国」とは言えない国家に対しては、憲法9条が適用されないことを明確にし、主権国家として国際法上、当然認められる自衛権を行使するよう政府に求める。

声明の発表に合わせて、同党は3日、全国で街頭演説を行った。矢内筆勝党首は、東京・渋谷ハチ公前での街宣で、スクランブル交差点を行き交う多くの若者に対し、「日本国憲法最大の欠点は、憲法9条に縛られて、みなさんの大切な家族、恋人、お友達、そういった大切な人たちを、国家が守れなくなっていることなんですよ」などと呼びかけ、憲法改正の重要性を訴えた。

現在の日本国憲法では、憲法9条により「専守防衛」が原則とされているため、他国からの攻撃を受けるまで日本が武力行使に出ることができない。つまり、実際に侵略を受けたり、第一撃を受けるまで何もできない場合もありうるということだ。北朝鮮がミサイルの発射予告を行い、中国の艦船が尖閣諸島近辺で領海侵犯を繰り返すなど、現実の危機が迫るなか、日本は主権国家としてあまりに無力である。

戦後の日本国憲法は、マッカーサーを中心にアメリカが約1週間でつくったものであり、いわば「もらいもの」だ。そのもらいものの憲法をご本尊のように墨守すると同時に、日本は戦後70年近く、自国の防衛をアメリカにゆだねる無責任を貫いてきた。その無責任ぶりは国際貢献でも同じだ。湾岸戦争の際には、憲法9条を理由に自衛隊を派遣せず、憲法を自分たちが何もしない「言い訳の材料」としてきたのだ。

日本は自分の運命に自分で責任を取れる国へと変わるべきである。さらに、世界トップクラスの経済大国として、世界に対しても、国力相応の責任を持つべきだろう。

憲法9条改正を急ぐと同時に、いつ起きてもおかしくない朝鮮半島有事などに備え、当面は解釈改憲により、日本の領土と国民を守れるようにするべきだ。しかし根本的には、日本人が自らの手で主体的に憲法を作り直すことが必要だ。憲法改正の議論を通じて、日本人は自らの運命に責任を持ち、世界に対しても役割を果たすという気概を持たなければならない。(晴)

【参考】

声明 憲法記念日にあたって | 幸福実現党ホームページ

http://www.hr-party.jp/new/2013/37346.html

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2004年12月号記事 仏教で日本を創った 聖徳太子

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=216

2009年8月号記事 大川隆法 新・日本国 憲法試案

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=653