日韓併合での日本の統治をめぐって、韓国では、日本とナチス・ドイツを同列視する論調がみられる。韓国の朝鮮日報(27日付電子版)は、かつてユダヤ人収容所で警備をしていたドイツ人が今年2月に逮捕された例を挙げ、「韓国の日本への戦争責任の追及はみすぼらしい」とするコラムを掲載した。
記事では、「韓国をみすぼらしい存在にした3つの出来事」と題し、ナチス・ドイツの例を挙げている。
ドイツでは、第2次世界大戦が終わって70年近くが経つ今も、ユダヤ人虐殺に関与したという容疑でドイツ人が逮捕されるケースがある。韓国は、親日的な言動をする韓国人をののしることに熱心だが、ドイツのように責任者を見つけ出し、起訴するまでには至らない。こうした姿勢が、「韓国は大したことはない」というイメージを日本に持たせ、韓国をみすぼらしい存在にしているのだという。
韓国はドイツに見習って対日批判を強化すべきと主張したいようだが、そもそも「日本はユダヤ人を迫害したナチスのように残虐だった」という事実はない。
韓国が好んで取り上げる慰安婦問題は、事実無根であることが分かっている。慰安婦の強制性を認めた「河野談話」に関わった元官房副長官の石原信雄氏は、国会質疑のなかで「談話には韓国政府への配慮があった」と認めた上、慰安婦と称する韓国女性の聴き取り調査も、「日本は裏付け調査をしていない」と述べるなど、河野談話の内容がいい加減なものであったことが明らかになっている。
また、日本は特定の人種を迫害したりなどしておらず、むしろ大戦中、ユダヤ人を保護していたのは歴史的事実だ。1919年には、国際社会で初めて「人種差別撤廃条約」を提案し、黒人新聞協会からも後押しをされるなど、欧米の有色人種に対する差別に抵抗してきた。韓国側の言い分は荒唐無稽と言わざるを得ない。
日本政府が虚偽に基づく河野談話を検証するのは当然だが、この見直し論に対しても、韓国の朴槿惠大統領は3月1日、「三・一独立運動」の式典の中で、「ドイツに見倣って、日本は歴史の見直しをやめるべき」という主旨の発言をしている。これは、ドイツが1985年に制定した、ユダヤ人大量虐殺の事実を否定することを禁止する、いわゆる「ホロコースト否定禁止法」を指していると思われる。
こうした韓国側の一連の主張は、自分たちは都合のよい歴史を捏造して流布する自由があるが、日本にはその虚偽を検証する自由さえ認めないと言っているのに等しい。あまりにも独善的で、外交儀礼に反した主張と言える。本来であれば、韓国こそ、日本を貶め続けてきた罪を謝罪すべきだ。そして、日本は一日も早く河野談話を撤回し、旧日本軍の汚名を晴らすべく、真実の歴史観を世界に発信しなくてはならない。(慧)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『神に誓って「従軍慰安婦」は実在したか』 大川隆法著
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