事実無根の記事によって名誉を傷つけられたとして、宗教法人幸福の科学が、文藝春秋社と元信者の種村修氏に対して起こしていた裁判の控訴審で、東京高裁は19日、同社に対して400万円の損害賠償の支払いと、「週刊文春」誌上での謝罪広告の掲載を命じる判決を下した。

問題の記事は、「週刊文春」の2012年7月19日号に5ページにわたって掲載されたもの。教団内部で女性問題があったと指摘し、「性の儀式」が行われているなどと、センセーショナルに書き立てた。

判決では、この記事が幸福の科学の社会的評価や名誉を毀損したと認定。文藝春秋社がこの記事を掲載して販売したことについて、「不法行為に該当することは明らか」とし、損害賠償の支払いを命じた。また判決確定から2週間以内に、記事が事実に反しているため撤回し、謝罪する広告を、「週刊文春」の1ページ全面で掲載することを命じている。

文藝春秋社が売上げ優先のセンセーショナリズムに走り、事実に反する記事を書いて、世間の目をごまかせると思っているなら、反省すべきことだろう。

問題の記事は、幸福の科学をすでに破門されている種村氏の書簡や、「元教団幹部の男性」「元信者」のコメントを羅列したもので、ジャーナリズムの基本である「裏取り取材」も行われた形跡がない。

さらに取材先も、教団に対して、ありもしないスキャンダルをでっち上げて布施の返還を要求するグループで、文藝春秋社は事実を確認しないまま、無責任にも彼らの悪意に加担したと言える。

種村氏は教団幹部との架空の「カウンセリング」の模様をウェブ上に大量に掲載するなどの"妄想癖"が見られるが、その種村氏の証言を全面的に反映させたこの記事も、嘘や妄想そのものと言える。

今回の判決で掲載が命じられた全面の謝罪広告は、見出しや内容、文字の大きさまで指定されている。報道機関の命綱とも言える「編集権」を剥奪されるのは、「週刊文春」にとって屈辱だろう。ジャーナリズムの精神にもとるずさんな報道姿勢で多くの人を傷つければ、相応のしっぺ返しが来るということである。

文藝春秋社はこのほど、「週刊文春」の記事をめぐって、日本経済新聞社に起こされた名誉毀損の訴訟で、約1200万円の損害賠償の支払いなどを命じられている。このままでは個別の記事だけでなく雑誌そのものの信用も失っていくだろう。

廃刊に追い込まれる前に、「売らんかな」の姿勢を改めて、真っ当な報道機関としての出直しを図るべきではないか。

【関連サイト】

幸福の科学公式サイト 「週刊文春」に賠償命令と謝罪広告、「幸福の科学」勝訴の判決について

http://info.happy-science.jp/2014/9880/

【関連書籍】

幸福の科学出版 『芥川龍之介が語る「文藝春秋」論評』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=783

幸福の科学出版 『「週刊文春」とベルゼベフの熱すぎる関係』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=723

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2013年8月30日付本欄 幸福の科学が文藝春秋社側に勝訴 週刊誌ジャーナリズムは真実を報じよ

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2012年7月27日付本欄 幸福の科学が文藝春秋社と元信者を名誉毀損で提訴

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