米大使館が、NHK経営委員を務める作家の百田尚樹氏の東京裁判や南京大虐殺に関する発言を理由にNHKの取材を拒否していたと、共同通信が15日に報じた。

報道によれば、NHKの取材班は昨年11月、着任直後だったキャロライン・ケネディ大使へのインタビューを申し込み、大使館側も総合テレビの「クローズアップ現代」で放送するよう要請するなど、調整を続けていた。ところが2月上旬、取材班が大使館を訪問したところ、報道担当官が「百田氏の発言でインタビューの実現は困難になった。大使本人とワシントンの意向だ」と難色を示したという。

問題になっているのは、都知事選での田母神俊雄候補への応援演説で百田氏が発言した内容だ。百田氏は、米軍による東京大空襲や原爆投下を「大虐殺」と呼び、「東京裁判はそれをごまかすための裁判だった」と発言。また、南京大虐殺についても「そんなことはなかった」として否定した。

アメリカ大使館は、昨年末の安倍晋三首相の靖国参拝への「失望」表明に続いて、日本が戦後の歴史観を見直す動きを牽制しているようだ。しかし、東京裁判や南京大虐殺など、歴史問題についての百田氏の発言は事実に基づいたものだ。

東京大空襲では約10万人が、広島・長崎への原爆投下では約20万人の民間人が米軍の攻撃によって死亡しているが、これは大虐殺にほかならない。また、連合国側は東京裁判で「日本軍が南京で20万人の大虐殺を行った」との話を持ちだしたが、これを裏付ける証拠はない。同裁判で南京での日本兵による殺人や強姦を証言した牧師も、自身が実際に見た殺人は「たった1件」と話しており、信憑性は薄い。日本軍が南京入りして一カ月後、人口が占領前より5万人増えていることからも、大虐殺が行われたと言うには無理がある。南京大虐殺は、東京大空襲や原爆投下を正当化するために、当時の連合国側が創ったものだったのである。

今回の取材拒否は、東京裁判史観を見直す動きへのアメリカの抵抗だと考えられる。しかし、同盟国であるにもかかわらず、アメリカがいつまでも「日本は敵国」という思い込みによる嘘の歴史観を変えないのは現実に合致していない。結局は東アジアでの軍事覇権を目指す中国の台頭を許すことにつながり、世界の平和を崩す結果となりかねない。

日本が歴史観を見直し、集団的自衛権の行使容認や憲法改正を議論するのは、差し迫る国防の危機に備えるためであり、決して軍国主義国家に逆戻りするためではない。日米は真実に基づいた歴史観を共有して同盟国としての協力体制を強め、正義の実現に向けて手を携えるべきである。(晴)

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2014年1月13日付本欄 【早賢の多次元総研・第2回】米軍は原爆投下に反対していた

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2013年9月号記事 欧米にこそ歴史見直しが求められる(ウェブ・バージョン) - 編集長コラム

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