鹿児島県南九州市は4日、知覧特攻平和会館が収蔵する神風特攻隊員の遺書など約300点を、世界記憶遺産登録に向けて申請することを発表した。同市の霜出勘平市長は、記者会見で「明日、命はないという極限の状況で隊員が残した真実の言葉を保存・継承し、世界に戦争の悲惨さを伝えたい」と話した。

特攻隊に関しては、昨年12月から公開されている岡田准一主演の特攻隊員を描いた映画「永遠の0」が、観客動員500万人を越える大ヒットを記録し、日本中が涙した。しかしその一方で、いまだに特攻隊に対し、国内外で、軍国主義化した当時の日本政府に洗脳され、犬死を強いられたという評価もある。

だが、断じて、彼らは犬死などではなかった。

もちろん、特攻という戦法が、戦略上、正しいものであった否かという議論はある。だが、隊員たちが、命を賭してまで祖国を守ろうとした、その思いは、誰も否定できるものではない。それは、彼らが残した遺書などを見れば、一目瞭然だ。20歳前後の若者たちが、さまざまな心の葛藤を経て、ゼロ戦に乗り込んでいった事実に思いを馳せた時、現代を生きる日本人が、一体どれだけ胸を張って、彼らの思いに答えるだけの国を作り上げたと言えるだろうか。

さらに、特攻隊を含む、先の大戦で亡くなった300万人の英霊の戦いぶりは、日本だけでなく、欧米の植民地となっていたアジアの国々を解放した点においても、犬死などではない。

たとえば、アメリカに占領されていたフィリピンのルソン島では、2000年代に入っても、戦時中にこの島から飛び立った特攻隊員たちを慰霊する式典が行われている。1944年10月、この島を飛び立ち、史上初の特攻を敢行した「敷島隊」が、米空母艦隊に大打撃を与えており、現地の人々は、その雄姿を称えている。ジャーナリストの井上和彦氏が、慰霊祭に訪れた際、現地の子供たちは日の丸の旗を持ち、中には学校単位で参加する学校もあり、大規模なものであったという(1月29日付zakzak)。

冒頭の霜出市長の、「戦争の悲惨さを伝えたい」という点も大切ではあるが、中国や韓国をはじめ欧米諸国が先の大戦の日本を「悪」とみなし、歴史問題で揺さぶりをかけようとしている今、特攻隊を通じて世界に伝えるべきメッセージは、もっと崇高なものでなければならない。

「先の大戦での日本の戦いは、正当な自衛権の行使であり、さらに欧米列強からアジアの植民地を解放し、人種差別政策を打ち砕いた聖戦であった」。そう意義づけてこそ、世界記憶遺産に登録する意味がある。(慧/格)

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