天台宗の荒行である「千日回峰」を2度成し遂げ、近年、がんが見つかり静養中だった酒井雄哉(さかい・ゆうさい)大阿闍梨(だいあじゃり)が今年9月、大津市内で心不全のため亡くなった。享年87歳。

酒井氏は、1926年大阪生まれ。慶應義塾大学を経て、戦時中、海軍の飛行予科練習生に志願。鹿児島県鹿屋市の特攻基地で終戦を迎えた。戦後は、経営するラーメン店が火事で全焼したり、転職を繰り返したり、結婚2カ月後に妻が自殺するなどの経験を経て、39歳で得度(出家)。

その後、地球1周に相当する約4万キロの距離を7年かけて歩く千日回峰行を2度達成した。これは、記録が残る織田信長による比叡山焼き討ち(1571年)以降では3人目の偉業とされており、生前は、「生き仏」とも称された。ちなみに、「大阿闍梨」とは、高い位の僧侶に授けられる称号。

11月30日付読売新聞夕刊は、この酒井氏を紹介。弟子や酒井氏の著作の出版関係者など、各界の友人・知人の言葉をつないで追悼した。だが、同紙が発行される直前の同日午前、亡くなった酒井氏の霊が自ら大川隆法・幸福の科学総裁のもとに現われたため、大川総裁は急遽、霊言「酒井雄哉大阿闍梨に引導を渡す」を行った。この霊言は、12月3日(火)から、全国の幸福の科学の支部などで開示される。

霊言で酒井氏の霊は、死後2カ月あまり経った今も、自分が天上界に還っていないという現実を理解できない状態。千日回峰をしても安らぎを得ていないことや、「心」の修行をしていないことなどを告白した。

これに対して、大川総裁は「迷っているにもかかわらず、悟った人のように振る舞って、多くの人を誤解せしめたこところに、何らかの罪が生まれている」「肉体即自分だと思っている。あなたの悟りは、唯物論なのです」などと諭した。そして、霊言の終盤には、酒井氏の霊に大きな変化が起こる。

大川総裁はこれまでに、日本天台宗の開祖・最澄が説いた、修行論を飛び越し、人間はもともと悟った存在とする「天台本覚思想」の誤りを指摘。2012年11月には、最澄の霊言を行い、心の世界の法則を理解していないことなどを明らかにしている(詳細は『不成仏の原理 ―霊界の最澄に訊く―』に収録)。

再誕の仏陀である大川総裁の教えの広がりによって、伝統仏教といえども、開祖の思想に誤りがあることや、タイの小乗仏教に代表されるように弟子がつくった細かな戒律で人々を縛ったり、「仏陀はもうこの世には生まれない」などの間違った教えを信仰している現状が明らかになってきている(文末の関連記事参照)。

今回の読売新聞の記事は、生前の酒井氏の業績を称える内容となっているが、真実を伝えることが使命のマスコミには、それぞれの宗教の教えが正しいか否かという価値判断も求められる。言論の自由は大事だが、「誤報」によってミスリードすることは許されない。やはり、「正しさとは何か」を追い求める姿勢が必要だ。(格)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『不成仏の原理 ―霊界の最澄に訊く―』大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=865

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2014年1月号記事 仏教国が「乱れる」理由/戒律の目的は心の平安を得ることにある

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2012年Web記事 大川隆法総裁公開霊言レポート&解説 親鸞、日蓮、最澄――日本仏教の「悟り」と「限界」とは?

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