とうとう、増税に腹を決めたようだ。

安倍首相は11日、来年4月に消費税率を現行の5%から8%に予定通り引き上げる考えを示した。本誌・本欄でも再三、「消費増税は景気に悪影響」と指摘してきたが、結局、「財政再建が急務」という財務省の主張に従った形となった。最終判断は10月1日、日銀の企業短期経済観測調査(短観)発表後の予定だが、各メディアは増税決定の方向で報じている。

景気が上向き、せっかく「失われた20年」から脱却しようとしているなか、消費増税が裏目に出れば、安倍首相の判断責任は極めて重い。

回復基調にある景気を腰折れさせないように配慮はしている。それが、「国民への事実上の還元」と称する、増税幅3%に対して約2%分にあたる5兆円規模の経済対策だ。しかし、うまく機能するかは全くの未知数だ。消費増税は、「民間消費」「住宅投資」を減退させる可能性が高い。一方、経済対策は、住宅購入者に最大30万円を給付する措置などを検討しているという。一方で住宅投資を減らし、一方で住宅投資を促すわけだ。これは消費増税の影響を小さくするというより、単純に経済対策の効果を相殺させるだけだ。

政府・財務省は、「増税しなければ財政再建が遠のく」と主張するが、そもそも増税で企業業績が悪くなり、人件費削減で雇用全体が落ち込めば、失業手当や生活保護など、それこそ国の税金を使わなければならないという話になる。

本欄では何度も繰り返しているが、消費増税のマイナスの影響は大きい。2020年の東京五輪、私たち日本国民が疲れ切った状態で、世界の人々を"おもてなし"したくはないものだ。(原)

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