原子力規制委員会の専門家チームは2日、関西電力・大飯原子力発電所(福井県)の非常用取水路の下にある断層について、「活断層ではない」という見解で一致した。大飯原発の3、4号機は現在国内で唯一稼働しており、3号機は3日、4号機は15日に定期点検に入るが、今回の判断で、大飯原発の再稼働に向けた安全審査が前進すると見られる。3日付各紙が報じた。

活断層の有無が疑われていたのは、同原発の3号機と4号機につながる非常用取水路の下にある、「F-6」という断層。専門家チームは当初、関電が報告していた位置に断層が確認できず、追加で3回の現地調査を行っていた。

流れを決定づけたのは、専門家チーム4人の中で唯一の地質学者である重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員の分析。断層の結晶の分析から、断層が動いたのは40万年より大幅に古く「(活断層ではないという関電の言い分は)おおむね妥当」としたという。活断層の存在が疑われる全国の6カ所の原発のうち、活断層が否定されたのは今回が初めて。再稼働に向けた動きが活発になることが期待される。

また、日本原子力学会が2日に公表した、東京電力・福島第一原発事故に関する調査委員会の最終報告書の原案でも、事故の主因は「津波の浸水」であり、地震での損傷については「緊急停止し、健全性が保たれた」と否定した(3日付産経新聞)。

つまり、福島第一原発は、マグニチュード9.0という、「日本周辺での観測史上最大」の地震にも耐えたということである。東日本大震災では、「日本の原発の技術力の高さ」が証明されたわけだ。

さらに、1995年の阪神淡路大震災や、2004年の新潟県中越地震などの過去の大地震は、いずれも「活断層がない」とされた場所で起こっており、これまで活断層による地震予測が成功したことはない。活断層があるか否かで原発の再稼働を止めるのはナンセンスだ。

日本政府は、あれほどの大きな地震に遭っても原発が緊急停止し、健全性を保った事実を国内外に広くアピールし、全国の原発の早期再稼働を押し進めるべきだ。(居)

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