68回目の終戦記念日を迎えた15日、東京・千代田区の靖国神社には、多くの人々が、国を守るために戦争で命を落とした英霊たちを弔った。超党派の国会議員団も参拝に訪れたが、安倍晋三首相は姿を見せず、自民党総裁として玉串料を奉納するにとどまった。

同神社には、早朝から多くの参拝者が訪れ、老夫婦や若い親子連れなど年齢層は幅広く、バスを連ねて地方からやってくる人々の姿も多く見られた。午前11時ごろ、超党派でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー、衆参合わせて約300人超(代理を含む)が参拝。参拝後の会見で、同会の会長を務める尾辻秀久・元厚労相は「国のために散って行った方々に対する、尊崇の念を込めてお参りした」と述べた。

靖国神社には、韓国の野党議員が訪れる構えを見せていたこともあり、あちこちに警察官が待機。防弾チョッキなどの装備をつけ、物々しい警備が行われた。日韓両政府の働きかけもあり、結局、韓国の議員は、神社から約500m離れた路上で、「安倍政権の軍国主義に反対する」などと抗議するにとどめた。

こうした中、正装で参拝に臨んだ千葉県船橋市の元海軍の男性(85歳)は、こう語気を強めた。「参拝は、他の国の人がとやかく言うことではない。国のために没した人々をなぐさめるために、後世の人々が参拝するのは当たり前のことです」。

中国や韓国の政府・メディアは、先の大戦で日本は大罪を犯したとして、「日本は謝罪せよ」と繰り返す。その主張の前提には、南京大虐殺や従軍慰安婦などがあるが、これらは戦後に戦勝国がつくった「ウソ」「捏造」であることは明らかであり、この点について謝罪する必要はない。

ただ、彼らの主張に、日本側が"お墨付き"を与えているという事実もある。その代表的なものが、「いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがた傷を負われたすべての方々に対し心からのお詫びと反省の気持ちを申し上げる」とした「河野談話」。そして、「過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」とした「村山談話」である。

中国や韓国の人々からすれば、「日本政府が誤りを認めている以上、日本人が反省するのは当然」という主張は筋が通っている。であるならば、この歴史問題に終止符を打つためには、歴史的事実として証拠のないものを認めた日本政府の公式見解を無効としなければならない。それを提言したのが、本欄でも紹介してきた「大川談話―私案―」だ(下記、関連記事参照)。

安倍首相は、中国や韓国に間違った主張をやめさせるためにも、「日本悪玉史観」を引っくり返す新たな談話を発表すべきであり、その上で、堂々と靖国神社を参拝すればいい。日本人が正しい歴史観に基づく国づくりを進めた時、はじめて靖国神社にまつられた英霊たちへの慰霊が実現するのではないか。(格)

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幸福の科学出版 『「河野談話」「村山談話」を斬る!―日本を転落させた歴史認識―』 大川隆法著

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2013年9月号記事(無料) 河野・村山談話は無効である 歴史問題を永遠に葬り去る 大川談話―私案―-1-

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2013年7月26日付本欄 大川隆法総裁 談話発表「河野・村山談話は遡って無効である」 歴史問題を永遠に葬り去る

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6400