米空軍の救難ヘリコプターHH-60が5日夕方、沖縄県の米軍基地キャンプ・ハンセン内で炎上・墜落した。訓練中の出来事であり、乗組員のうち1人が死亡した模様。県民に負傷者はいないという。

事故の影響として懸念されるのは、「こうやってオスプレイも落ちてくるかもしれない」という地元住民の不安だろう。墜落を受けて海兵隊は5日夜、岩国基地の残るオスプレイ10機の追加配備を延期することを決めたと6日付各紙は報じている。

米軍は緊張感の高まる東アジア情勢も視野にいれ、着々とオスプレイの配備を進めてきた。米海兵隊は先日、普天間基地にオスプレイを追加配備するべく、12機をまず山口県の岩国基地に搬入。そして3日にうち2機を沖縄へ飛ばした。今回は、それに伴い反対運動が激化していた矢先の墜落事故であった。あまりのタイミングの悪さに驚いた人は多いだろう。

オスプレイは最新型の「大型輸送飛行機」。有事に際して、人員や物資、食料などを運ぶ。オスプレイの特徴は、ヘリコプターと飛行機を兼ね備えていることだ。滑走路が無くとも離着陸し、翼を広げた航行も可能、輸送距離も長く、速度も速いという優れものだ。例えば、沖縄から尖閣諸島に海兵隊を航空輸送し、給油なしで帰ってくることが初めて可能となる。

そんな期待のホープだが、普天間基地への配備計画が発表されてより、反対の声にさらされ続けている。最大の理由は「安全性の問題」だという。かつてアメリカやメキシコなどで起きたオスプレイの墜落事故を時のマスコミが大きく報じ、「そんなものが頭上を飛ぶのか」という住民の不安を生んでいる。さらにそれを左翼運動家が煽る形で、大規模な反対運動がしばしば展開されてきた。

そうした流れの中で、今回の事故は一見、オスプレイ配備計画にとって取り返しのつかないダメージを与える事故にも見える。しかし、逆にこの事故から「オスプレイ配備を急ぐべきである」理由が浮かび上がってくる。

それは、今回墜落したHH-60の事故率(ある航空機が10万時間飛んで何回事故を起こすか)が、なんとオスプレイの2倍もあるということだ。今回普天間基地に配備されるのは、MV-22オスプレイという機種で、最近10年間の実績から算出すると、HH-60の事故率は4以上であるのに対して、MV-22オスプレイの事故率は2以下である。

つまり、「オスプレイは危険だ」と沖縄住民や地元マスコミは配備反対を叫んでいるのと逆に、「オスプレイのほうが安全だ」というのが正しい。オスプレイ導入は「安全への一歩」であり、住民の不安を軽減するためにも、いち早い配備が必要だ。(光)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『中国と習近平に未来はあるか 反日デモの謎を解く』 大川隆法著

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