垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」が23日午後、山口県の岩国基地での19日からの飛行訓練を終え、沖縄県の普天間基地に戻った。いまだにオスプレイ反対集会が各地で行われているが、「なぜオスプレイが必要か」について日本人の多くが理解していないのが、反対の大きな原因だろう。

オスプレイについては、モロッコとアメリカで2回の墜落「実績」があるため危険だとして、本土演習の反対集会が高知県など各地で行われている。その一方で、22日、岩国市議会で出された、「岩国基地を拠点にして低空飛行訓練に反対する意見書」に、賛成派の4議員が「オスプレイ配備は抑止力の強化につながる」などと意見を述べ、賛成11、反対20で否決されるなど、オスプレイの価値を理解する声も広がりつつある。

オスプレイがなぜ必要か。中国が侵略しようとしている尖閣諸島を守る上で、オスプレイは重要な役割を果たすのだ。これまで通常配備されていたヘリコプター「CHシーナイト」の行動半径は約140kmで、普天間基地から尖閣諸島まで往復できないが、オスプレイは給油なしで往復できる。いざとなれば世界最強の米軍海兵隊を尖閣に運べる。この能力が中国に対して抑止力として働くのだ。

オスプレイの価値はそれだけではない。

今、北朝鮮が「休戦協定の白紙化」を宣言するなど、朝鮮半島は“開戦前夜"の状態だ。第二次朝鮮戦争が現実化したら、3万人いる在韓邦人をどうやって救出するのか。その際に、航続距離の長いオスプレイは非常に役立つのだ。

オスプレイは空中給油を入れれば約1100km飛行可能で、日本の本土から出発すれば、北朝鮮さえも行動半径に入る。オスプレイの搭載量は約5700kgであり、滑走路のない土地に取り残された人々を一度に数十人も運ぶことができる。

また、中国で有事が起きた場合にも、普天間基地から1回給油で上海などまで邦人救助に往復できる。

オスプレイに反対する人々は、オスプレイが北朝鮮や中国に対する抑止力となることと、日本人を救う目的で配備されていることをきちんと認識すべきだろう。

自衛隊もオスプレイを導入しようと動いている。どんどん導入を進めるべきである。(居)

【関連記事】

2013年1月29日付本欄 首相官邸前で「オスプレイ配備歓迎」集会

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5547

2012年6月24日付本欄 沖縄が招く日本の危機 - 石垣島・沖縄本島ルポ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4479