イタリア16日に新政権が発足した。

新首相に就任したのは、モンティ元欧州委員で、経済相も兼任する。

新閣僚は政治家を一人も入れず、経営者や有識者などで構成される。モンティ首相自身も経済学者だ。

新政権は、17日に欧州首脳に要求されている緊縮財政計画を提出する。

「ギリシャの次はイタリア」という信用不安を払拭するのが新政権のミッションとなるが、国債利回りは「危険水域」と言われる7%を上回ってしまった。

政治家不在の閣僚人事で、政治的思惑の影響を脱して経済の安定を図る考えだったが、逆に政治力のなさが不安視されてしまった格好だ。

EU危機の処理がうまくいかないのは、必ずしも人間は合理的に判断しないという政治的リスクが大きな理由だが、モンティ新首相は、初っ端からその洗礼を浴びた形だ。

イタリアの新政権も、厳しい門出になりそうだ。(村)

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